Contents
新しい「抗ヒスタミン薬」の「ビラノア」「デザレックス」とは?
2016年11月から保険処方されるようになった「ビラノア」「デザレックス」。
どちらも抗ヒスタミン薬の一種なのですが、従来のものとは違う効果・効用をもつ新薬となります。
抗ヒスタミン薬は花粉症(アレルギー反応)の原因となるヒスタミンを抑制したり、ブロックさせたりすることによって症状を緩和させるお薬です。
それでは、デザレックスとビラノアの特徴や、違いについて解説します。
クラリチンの後継薬「デザレックス(デスロラタジン)」
デザレックスはクラリチンの後継薬として開発されました。
クラリチンは元々「眠気が出にくい」のが特徴で、デザレックスはさらに眠くなりにくい仕上がりとなりました。
一方クラリチンと違うのは、クラリチンは元々肝臓で分化されるお薬で、肝臓で分解され、代謝されてできるデスロラタジンが効果を発揮して花粉症状を落ち着かせていたのですが、デザレックスは既にデスロラタジンが利用されています。
(そのため、デスロラタジンという呼び名で呼ばれることもあります)
つまり、「肝臓で代謝される」必要がなくなったため、クラリチンよりも断然速く効果が出るようになったのです。
肝臓で代謝されるお薬というのは、食事の影響などでその効果が左右されることが多かったのですが、肝臓の薬物代謝酵素を使わない分、純粋にクラリチンよりも高い効果が期待できます。
※お酒が薬に影響するというのもこういった理由から※
デザレックスの一番の特徴
デザレックスの特徴を挙げるなら、一番はその効果の時間の長さ。
薬の効果の長さを表す「血中半減期」というものがあるのですが、それがデザレックスは19.5時間と、数ある抗ヒスタミン薬の中で最も長いのです。
これは、血中に流れた薬の成分濃度がピークの半分になるまでにかかる時間を示しているのですが、それだけ長い時間効果があるということは、朝飲んだお薬が途中で切れて、帰宅時間には鼻水まみれ……ということがないという事です。
※長時間利き目が続くのは忙しい人にはありがたい※
デザレックスの価格や服用回数等
価格=1錠69.4円。
服用回数=1日1回
対象年齢=12歳以上
デザレックスの注意点
眠くなる等の副作用が少ないデザレックスですが、どの薬にでも起こりえる肝機能障害やアナフィラキシーショックには注意しましょう。
また、デザレックスは抗生物質のエリスロマイシンとの併用で、成分の血中濃度が変化する恐れがあるため、抗生物質の使用をしている場合は医師によく相談するようにしましょう。
眠くなりにくさNO1の「ビラノア」
ビラノアはビラスチンという成分を主とした、第二世代の抗ヒスタミン薬。
効能としては、ジルテックやザイザルと同等以上の抗ヒスタミン効果があるのですが、それでも眠くなりにくいという特徴を持っています。
ビラノアの一番の特徴
血中の薬の成分濃度が1時間でピークになるため、利き目が速く現れるという特徴もあるのですが、ビラノアの一番の特徴は「眠くなりにくい」というところ。
現在出ている第二世代の抗ヒスタミン薬の中でも、最も眠くなりにくいという特徴があり、多くの抗ヒスタミン薬の服用の注意点で「服用後の運転を避けること」とある中、ビラノアにはその文言がないことから、その特徴が伺えます。
ただし、副作用としての眠気がない分、食事の影響を受けやすいなどの注意点があるため、服用の際には配慮が必要です。
※服用は空腹時に※
ビラノアの価格や服用回数等
価格=1錠円79.7円
服用回数=1日1回
対象年齢=成人
ビラノアの注意点
ビラノアは眠くなりにくい分、服用の際に注意が必要です。
ビラノアは1日1回の服用で大丈夫なのですが、食事の影響で効果が低下するため、食膳1時間、食後2時間と、食事の前後3時間は服用できません。
また、グレープフルーツ(ジュースも含む)の成分で、有効成分の血中濃度が下がってしまうこともあり、服用中はグレープフルーツの飲食はやめたほうがよいとされています。
※グレープフルーツが好きな方にはちょっと辛い?※
ビラノアとデザレックスを比較すると……
- 薬の強さ:ジルテック≦ビラノア>デザレックス
- 眠くなりにくさ:ビラノア≦デザレックス
- 飲みやすさ(注意のいらなさ):ビラノア<デザレックス
- 飲み合わせの注意のいらなさ:ビラノア<デザレックス
- 効果の持続時間(どちらも1日1回の服用で大丈夫ですが):ビラノア<デザレックス
- 値段の安さ:ビラノア<デザレックス
効果が長く効き、値段が安く……となるとデザレックスの方が良いのですが、より、眠くなりにくいのはビラノアなので、運転をしたり試験がある方はビラノアの方がよいかもしれません。
ただ、ビラノアは食べ合わせや、空腹時の服用でないといけないという縛りがあるため、一長一短。
自分のライフスタイルに合うお薬を選ぶと良いでしょう。
コメントを残す