【筆者の体験談】犬の花粉症について

犬の花粉症

意外と多い!? ペットの花粉症についての常識

人間の花粉症は多く知られていることだと思いますが、実は近年ペット(犬や猫)の花粉症も知られてくるようになりました。

しかも、最近では「インコ」や「オウム」などの鳥類にも花粉症症状が見られるようになってきたというから、驚きです。

動物の詳しい花粉症の歴史については、「ペットにもあった、花粉症の歴史」を見ていただくとして、今回は、私が飼っている犬が花粉症になってしまったために、知り得た情報をお伝えしたいと思います。

ペットにもあった花粉症の歴史

2017.10.14

犬に多いのは「イネ科の花粉症」

私の飼っている犬は雑種の中型犬(およそ10キロ)。
動物保護団体の施設から譲り受け、もらった当初は「雑種犬は丈夫だから」と思っていたのですが、成長するにつれてある変化が……。

毎年春先~秋の終わりくらいまで、脚やお腹を痒がるようになったのです。
その痒がり方は夜中に飛び起きて、脚の毛やお腹の毛が禿げて、皮膚が赤くなるほど掻きむしるほど。

おかしい……と思って病院で検査をした結果が……イネ科のアレルギーというわけでした。

【犬になぜイネ科のアレルギーが多いのか】

犬の検査の時に病院で言われたのが「犬にはイネ科の花粉症が多い」とのこと。

実は、犬の歩く高さにはイネ科の植物がたくさんあるのです。

犬の散歩

お散歩は楽しいけれど……

河原によく生えている「カモガヤ」もイネ科の植物ですし、犬は好んで草むらの中に飛び込みたがりますが、そこにもたくさんのイネ科の植物が自生しています。
動物病院でも、「散歩で土手を歩いて、帰ってきたらお腹から足先まで真っ赤になってたの」という飼い主さんを何度か見かけました。

花粉症の時期について(イネ科)

2017.06.16

花粉症の時期について(カモガヤ)

2017.06.05

もちろん、スギのアレルギーを持つ犬もいるのですが、それよりも丁度顔の高さくらいにくるイネ科の花粉の方がダイレクトに目や鼻、皮膚に届くため、犬はイネ科の花粉症になりやすいのです。

自分の犬が花粉症かどうかを見分けるポイント

犬のチェック

犬がアレルギーを起こしているらしい……という事がわかったとしても、それが食べ物によるのか、ハウスダストによるものなのか、そして、花粉によるものなのか、見分けるのが難しいかと思います。
ですが、いくつかのポイントを押さえておくと、判別が着きやすくなりますので、そのポイントをお伝えします。

  1. 痒がる部位が「脚」「腹部」「お尻」など、比較的地面に近い方
  2. 外に出るとくしゃみをする
  3. 散歩に行かない日があるとかゆみが落ち着く
  4. シャンプー後は比較的かゆみが落ち着く
  5. 毎年決まったシーズンにかゆみが発生する。

 

【理由】

  1. 獣医師曰く、脚・腹部・お尻などは背中に比べ「草」や「地面」に触れる機会が多いので、皮膚に着いた花粉がかゆみを引き起こしているとのこと。
  2. 外に出るとくしゃみが出るのは、人間の花粉症と同じ原理。
  3. 花粉に接触しなければ痒くならないということは、ハウスダストのアレルギーではないという証拠。
  4. 皮膚に着いた花粉が落ちるから。
  5. 人間と同じ症状の特徴ですので、ある特定の時期だけ発症する場合は花粉症の疑いが濃厚です。

こうした理由で、犬が花粉症かどうかを見分けることができるのです。

花粉症と間違えやすい他の症状

  • 皮膚炎(花粉症で皮膚を掻きむしり、皮膚炎になることはよくあります)
  • ダニ・ノミ感染(ダニ・ノミ感染のほうが、皮膚が鱗状になったりと、症状が悪化します)
  • ストレス性の掻きむしり(散歩に行けない等ストレスが溜まると、犬は強いストレスを感じ手や足の毛を抜いたりします)

犬の花粉症症状の場合、人間と違い鼻や目よりも先に「皮膚症状」が主な症状となります。
クシャミや涙目などは、外に出たときなど、とくに酷い時に発症するようですので、ただの皮膚炎やストレスだと勘違いしないよう気をつけましょう。

犬の間違い

本当は花粉が悪いのに……

花粉症と共に発生する食物アレルギーも

花粉症になるということは、元々アレルギー体質な犬だということになりますが、イネ科の植物のアレルギーの場合、同時に「お米」アレルギーになる子も少なくありません。

私の犬も、花粉症症状が出始めると同時にお米入りのフードを食べると、(もちろん人間用のご飯を食べても)かゆみを引き起こすようになってしまいました。
それどころか、うちの場合は「魚」にまでアレルギーを発症する様になってしまったため、『アレルギー用フード』が逆に食べられなくなってしまいました。

アレルギー用療法食は基本的にアレルギーを起こしにくいと言われている「魚」「お米」でできているため、もし、こうしたフードをあげているにも関わらずアレルギー症状が治まらない場合は、お米を疑ってみるのもありでしょう。

もちろん、子犬の頃は大丈夫だったということはありますが、そこも人間と同じで、身体に蓄積されてしまうためだと思われます。

ドッグフード

犬のアレルギー検査について

犬のアレルギー検査ですが、保険に入っていたとしても高額になります。

保険無しで12項目2万円ほどかかる動物病院がほとんどです。
もちろん、項目を絞って受けることもできますので、その場合はもう少し安くすむでしょう。

検査は血液検査。
ですが、犬の体調や成長によって、アレルギー元が変わることもよくあるらしく、私の場合あまり獣医師からは進められませんでした。
それよりも、日々の様子を見て、なにがきっかけでかゆみを引き起こすかを見た方が良いそうです。

また、食物アレルギーを疑う場合は、オンリーフードチェックをしてみるのも手です。

【オンリーフードチェックのやり方】

  • アレルギー症状を薬で治してから始めます。
  • チェック期間中は薬などを飲ませずに、様子を見ます。
  • 始めに絶対大丈夫だと思う食材(タンパク質)だけをあげて様子を見ます。
  • 問題無ければ1品目ずつ食材を増やしていき、痒がる食べ物が現れたらそれがアレルギー元とわかります。

<<我が家の場合……>>

3日間茹でたササミだけを食事にあげて様子を見ます。
痒がる様子がなかったら、次に茹でた豚肉をササミに混ぜてあげます。

次は、鶏肉の内臓(砂肝等)を茹でた物を足し、1日様子をみます。
次は豚肉を茹でたものをササミに混ぜて3日間様子をみます。

問題が無ければ豚ハツなどの内蔵物を混ぜて様子を見て、「鶏肉」「豚肉」「牛」とアレルギー症状を起こさないことを確認。
次はお魚……とこの時点でかゆみが出たので、魚アレルギーであることがわかりました

また、かゆみが落ち着いたら、次は、肉+野菜。
野菜でアレルギーになる子はあまりいないため、メインとなる食材をあらかた試したら、次は「お米」⇒「パン」⇒「芋類」と試していき、お米で酷いかゆみが出る事がわかりました。

これで、自分の犬には「お米」と「お魚」に反応することが判明しました。

【オンリーフードチェックの注意点】

  • 毎日の食事でチェックしていくので長丁場になります。
  • その間、栄養が偏らないよう、まずは犬の主食である「タンパク質(お肉)」から始めて、必ず問題の無かったお肉をメインに次の食材を足していくようにしましょう。
  • 栄養が偏る可能性があります。最長でも1~2ヶ月以内で終わらせるようにしましょう。
  • 精肉の次に内蔵物を足すのは、その食材のアレルギーを詳しく見るためと、栄養素の偏りを防ぐためです。
  • アレルギー症状を起こしている間は区別が付かなくなるので、落ち着いた時にやるようにしましょう。
  • お肉には必ず火を通すようにしましょう。
  • 人間には問題無くとも犬猫にとっては毒になる食材があります(ネギ類・魚の骨・鳥の骨・ブドウ・チョコレート等)必ず、犬猫の食べ物についての勉強をしてからやるようにしましょう。

雑種でもアレルギーになる子はいます

よく勘違いされるのが「雑種犬は病気をしない」という考えですが、これは間違い。
純血種特有の「遺伝病」を発症することがないだけで、心臓が弱い子もいれば、アレルギーになる子もいます。

私の場合、純血種の子は「ハウスダストアレルギー」になりましたが、雑種の子はイネ科の花粉症と、魚アレルギーを発症しました。

雑種

雑種だからと言って100%頑丈ってわけじゃないんだ……

ペットのアレルギーは犬だけじゃない?

霊長類であるサルのアレルギーは80年代半ばに発見され、95年には犬にも花粉症が起こるという発表がなされました。
ですが、ペットのアレルギーは「猫」にも及んでいます。

猫の場合スギやイネよりも「ブタクサの花粉」に反応することが多いらしく、とくに外飼いの場合、道ばたのあちらこちらにブタクサが生えるため、毛が抜けたり、涙目になったり、毛が抜けたりと犬と同じような症状になります。
また、猫の場合、とくに犬よりストレス耐性がないため、かゆみやくしゃみからストレスが溜まり、ゲリや食欲不振になってしまう子もいるそうです。

ただ、どちらかというと犬よりもクシャミをするケースは少なく、主に皮膚疾患として症状が出るそうです。

猫

猫も大変です……

犬の花粉症を放置すると……

シーズンが終わると治まる犬の花粉症。
動物の病院代は保険が効かず、時には高額になることもありますので、「いつかは治まるだろう」と放置するケースもあるかと思います。

ですが、猫はもとより、犬にとって「痒い」ということは相当なストレスです。
人間に例えると、頭が痒くて髪の毛がなくなってしまうほど掻きむしっている状態なのだと獣医さんが言っていました。

ですので、ご自分のペットがアレルギーを起こしているような状態でしたら、まずは獣医師に相談し、「本当にアレルギーなのか」「なにに対してのアレルギーなのか」を調べた上で、対処していくと良いでしょう。

また、犬猫の場合、「掻くと酷いことになる」と言っても我慢ができません。
ストレスと相まって、酷い皮膚炎や化膿を起こすこともあります。

そして、私の犬は耳に花粉が入ってしまい、耳を掻きすぎて「耳血腫」という、耳の軟骨が剥がれて腫れ上がる症状まで起こしてしまいました。

耳血腫

インターフェロン注射で治しました

そうなると更に可哀想になるばかりか、かかる病院代も世話も2倍3倍となってしまいますので、「どこかおかしい」と感じたら、すぐに動物病院に相談するようにしましょう。

犬の花粉症

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ABOUTこの記事をかいた人

ライター/印刷会社を得てフリーで活動するライター。自らのアレルギー・花粉症の経験を元に、多くの花粉症予防・対策について記事をしたためている。 健康オタクで、漢方・整体・鍼に詳しい他、毎日のエクササイズも欠かさない。