ちょっと怖い「花粉症と寄生虫の関係」

寄生虫
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寄生虫はアレルギーを防いでいたって本当!?

昭和後期くらいまではまだ身近な物だった「ギョウ虫」。
世代によっては、小学校の時に「ギョウ虫検査」なんて、ちょっと嫌な検査があったのをおぼえている人もいるかもしれません。

ギョウ虫に限らず、人のお腹に勝手に寄生する虫は回虫など色々な種類がいますが、今の日本では衛生管理が行き届き、もう余程のこと……海外に行って生野菜を食べる等しない限り、寄生虫に関わるようなことはないでしょう。

ですが、このギョウ虫や回虫がほぼ完全に駆除された状態だからこそ、花粉症が増えた……という説もあるのです。

今回は、そんな花粉症と寄生虫の関係についてお話しします。

回虫の寄生によって花粉症が防げていた!?

一昔前は、農薬技術が発達しておらず、なにより肥料に人糞や尿が用いられていたことにより、回虫などは「人類の最も普遍的な寄生虫」と呼ばれるほど、非常に身近な虫でした。

1960年代でも都市部で30~40%、農村部では60%以上も回虫に寄生されている人がいたと言われるほどです。

農村

ですが、戦後の高度成長期と共に徹底した駆虫対策・衛生対策がされるようになり、今では日本は世界で最も駆虫に成功したと言われるほど、回虫に寄生されることはなくなりました。

さて、このように回虫が根絶されるにつれ、増加するようになったのが花粉症。

もちろん、花粉症増加の理由には、大気汚染や戦後のスギの植林とそのスギの成長という主たる理由があるのですが、もう一つ、この回虫に寄生されることがなくなったからではないか……という説があります。

日本の花粉症の歴史のまとめ

2017.10.16

その節を唱える代表的な方が、東京医科歯科大学の藤田名誉教授。

花粉が人の体内に入ると、ヒスタミンという物質が分泌されます。

花粉症のメカニズム

2017.05.26

それが過剰に分泌されることによってアレルギー症状が発生するのですが、回虫・ギョウ虫などが体内にいる場合、人の身体は既にその寄生虫を排除すべく抗体を生み出していて、その抗体はアレルギー反応を起こさないもののため、花粉に対してのアレルギー症状が起おこらなくなる……という理論なのです。

回虫などが少量寄生している分には、人類は問題無く生きてきたわけで、むしろ人体に有益なこともある。
人と回虫は共生関係にあったと、考えられているのです。

もちろん反対意見も

この、少数の回虫を寄生しておく方が有益なこともある……という説に対し、もちろん反対意見もあります。

東京慈恵会医科大学の渡辺元教授は、回虫が寄生することにより、余計IgE抗体が増え、アレルギー症状が悪化するという意見を述べています。

発展途上国へ旅行に出て、寄生虫に感染後アレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎が治った……という事例も事実たくさん出ているそうで、回虫・ギョウ虫などが減少してきた時代と共に、喘息・アトピー・花粉症が増えてきたということは否めません。

ただ、回虫は毒素を分泌したり、人間が摂取した養分を奪ったり、ヘタをすると腸閉塞を起こす原因ともなります。
また、ギョウ虫も、お尻が我慢できないほどの痒さに襲われたりといった障害が起こりますので、ヘタに感染するのは得策ではないでしょう。

もちろん、「生きた虫をお腹に寄生させる」という心情的なマイナス面が何よりも大きいのですが……。

腹痛

研究に期待

寄生虫ではないのですが、群馬大学の研究で、マラリアを感染させたマウスはアトピー性皮膚炎が改善したという報告が出ました。

これは、マラリアに感染したことによって、自然免疫のナチュラルキラー細胞が増加したためだと言われていますが、マラリアに感染したマウスのナチュラルキラー細胞を、別のマウスに注入してもアトピー性皮膚炎が改善したということから、将来ナチュラルキラー細胞だけを取りだし、治療に役立てるのではと期待されています。

いずれも、花粉症やアレルギー症状に共通しているのは「免疫反応」

マラリアに感染したり、ギョウ虫に寄生されたりしなくとも、ストレスを発散し、規則正しい生活をし、発酵食品などバランスのとれた食事をすることによって免疫力を上げることによって、花粉症が改善されるのは事実ではないでしょうか。

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【おまけ】回虫・ギョウ虫・サナダ虫の違い

【回虫】

ミミズを平たくした、白い寄生虫。
例えるならウドン。

ヒトを含む、ほ乳類の小腸に寄生して、「糞便と共に卵は外へ」⇒「野菜などについた成熟卵が口に入ることによって感染」という、回るような感染経路をたどるため「回虫」と呼ばれています。

【ギョウ虫】

乳白色のちりめんじゃこのような形の寄生虫。

主に盲腸に寄生し、夜宿主が出ると肛門周辺で卵を産むため、かゆみが発生します。

手に付着した卵がヒトからヒトへと感染する経路となるため、現代では最も広く寄生される虫です。

【サナダムシ】

長いと10mにもなる、白い扁平の虫。
例えるならきしめん。

長い虫ながら、節々で切れて分裂することもあり、切り離された1片が排便時に飛び出すこともあります。

下水などに混じり卵が川に流れると、それをミジンコなどが捕食、そのミジンコを食べた魚がサナダムシの宿主となるのですが、さらに、その魚を生で食べると人間に寄生します。
主として生の鮭などが上げられますが、今では売られているサケは一度冷凍されているため、まず感染することはないでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ライター/印刷会社を得てフリーで活動するライター。自らのアレルギー・花粉症の経験を元に、多くの花粉症予防・対策について記事をしたためている。 健康オタクで、漢方・整体・鍼に詳しい他、毎日のエクササイズも欠かさない。