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花粉症が先か、乾燥が先か。乾燥と肌と花粉症の関係性について
日本で一番多く発症してしまうのが「スギ」の花粉症。
丁度その時期は、日本は冬型の気圧配置の空模様となり、シベリア寒気団(シベリア高気圧)という北から吹く大陸からの冷たい風が吹くようになります。
俗に言う「北風」というものですが、この北風は大陸性の高気圧で、とても乾燥しているため、日本の冬は毎年乾燥するようになってしまうのです。
そのため「乾燥+花粉の飛散シーズン」というのがコンボでやってきてしまうのですが、なぜ、空気が乾燥すると花粉症にとってよくないことになるのでしょうか?
また、乾燥するから花粉症が悪化するのか。花粉症だから乾燥肌が悪化してしまうのか。
この、「卵が先か、ニワトリが先か」と言ったような謎を解明していきたいと思います。
花粉と空気の湿度の関係
花粉という物は、通常その花(雄しべ)から離れた後、風に乗って空中を漂います。
うまく雌しべに付着することができた花粉は、そのまま受粉しますが、それは花粉の中でもごく僅か。
ほとんどの花粉は空中を漂い、その重さで地面に落下していきます。
その後、地面に落ちた花粉は風が吹く度に空中に舞い上がりますが、もしそこが湿った地面や水たまりの上などでしたら、そのまま地面や水面に張り付いたままになるのです。
ですが、高度成長期よりアスファルトの道路が増えた日本では、湿り気を帯びた土よりも乾いたアスファルトの方が多く、また、空気も乾燥しているので、乾いて軽くなったままの花粉は何度も、何度も空中を漂うことになるのです。
そのため、冬の乾燥した空気の中では花粉が舞い飛びやすく、より一層花粉症状が悪化してしまうということなのです。
乾燥とお肌のトラブルの関係
一方。空気が乾燥する事によって、花粉がなくとも肌トラブルが起こりやすくなることも事実です。
通常人間の肌は水分を保ち、それによってふっくらとした細胞を広げ、その隙間を埋めています。
それが乾燥によって、乾いて表皮が剥がれた状態になると、細胞の隙間が空いてしまい、肌の真皮が剥き出しになった状態になってしまうのです。
細胞同士の隙間なので目には見えないくらい小さな隙間ですが、肌にとってのダメージは大きく、赤くなったり、ヒリヒリしたり……。
さらには、その隙間からさらに皮膚の水分がどんどんと抜けていき、悪循環になってしまいます。
そういった事態を防ぐために、化粧水や乳液などで肌を整えていく必要があるのですが、そこにも落とし穴があるのです……。
化粧水や乳液で余計にお肌が乾燥してしまうことも!?
乾燥で角質や表皮が荒れてしまうことを防ぐために、化粧水や乳液をつけて肌を整える、水分を補給していくのは大切なことなのですが、使う化粧水の成分や、やり方を間違えてしまうと、余計にお肌が乾燥してしまいます。
【余計に肌が荒れるケース】
- 化粧水や乳液のつけすぎで肌が怠けてしまい、自分の水分保持能力が落ちてしまう
⇒肌には自己治癒能力が備わっています。必要以上の水分補給でその自己治癒能力を落とさないよう、量は規定量を守りましょう。 - アルコール入りの化粧水を使い、余計に水分が蒸発してしまう
⇒ニキビ予防や毛穴収斂機能のある化粧水にはアルコール入りが多いのですが、アルコール蒸発しやすく、その際に肌の水分も一緒に持って行ってしまいます。 - つけるタイミングを間違えてしまい、意味がない
⇒化粧水や乳液は洗顔直後にすぐつけるようにしないと、どんどん肌から水分が出て行ってしまいます。 - 化粧水や乳液にばかり頼って、内側からの水分補給をしていない
⇒肌の水分保持にはコラーゲンやビタミン・ミネラルが必須です。 - 刺激の強い化粧水や乳液を使ってしまっている
⇒保存剤や香料などは肌にとっては悪影響。花粉シーズンはできる限り刺激の少ない、無添加の物を選ぶようにしましょう。
花粉症で悪化する肌の乾燥
空気の乾燥で肌が乾燥してしまうことはわかっていただけたかと思いますが、花粉によっても肌は乾燥してしまいます。
【花粉で肌が荒れる原因】
- そもそもの花粉症症状で免疫力(体力)が落ちてしまい、肌の代謝が乱れてしまう
- 鼻のかみすぎで、鼻・口周辺の皮膚が荒れてしまう
- マスクをすることによる摩擦で皮膚が剥けてしまう
- 花粉が肌に付くことによる皮膚炎
- 目のかゆみで目の周辺を擦ってしまったり、目薬で目の周辺がかぶれてしまう
- 微熱が出てしまい体内の水分が発熱作用に持って行かれてしまう
- 鼻症状による脱水等
こうしたことは「花粉による原因」によって引き起こされてしまう肌荒れ問題です。
肌の乾燥で悪化する花粉症症状
逆に肌が乾燥することによって、花粉症症状が悪化していくということもあります。
まずは、本来なら肌の油分で止められていたはずの花粉が、肌が乾燥することによって口や鼻へすんなりと入っていってしまうということ。
それに、肌の乾燥によって、皮膚バリア機能が少なくなってきてしまうと、外部刺激に対する感受性が強くなってしまいます。
つまり、花粉などのアレルゲンに肌が触れたときに、より強いアレルギー反応を起こしてしまったり、皮膚の中にアレルゲンが入り込んでしまったりしやすくなってしまうのです。
そうすることによって、炎症が酷くなりかゆみが増し、皮膚を掻いてしまい余計に症状が悪化してしまうという悪循環が生まれてしまいます。
また、皮膚から入ってきてしまったアレルゲンに対して、身体が過剰反応してしまい、クシャミや鼻水……つまり、花粉症症状が出てきてしまうこともあります。
これは花粉だけではなく、ハウスダストや金属、食物アレルギーにも同様の反応を起こすことがわかっています。
イギリスの研究により、幼少期にピーナッツオイルを肌に塗っていた子どもが、成長するにつれピーナッツアレルギーを発症するケースが多く見られたという結果が報告されています。
このことにより、皮膚から吸収された食べ物の成分がアレルギーに繋がるということが指摘されるようになりました。
結論⇒乾燥によって悪循環していく花粉症症状
結果として冬の花粉症は、乾燥によって花粉症症状が悪化するし、花粉によって乾燥も酷くなるという、悪循環を繰り返す……というのが正解。
花粉が散る⇒乾燥した空気で何度も舞い上がる。
乾燥した空気で肌が荒れる⇒花粉が入り込み症状が悪化する。
まさに、ニワトリと卵の状態ですね。
しかし、花粉が飛んでしまうことも、冬に乾燥した空気が流れ込んでしまうことも日本に住んでいる限り逃げられない事実。
【諸外国の気候】
ヨーロッパは地中海性気候で、冬は温暖湿潤になるため冬の乾燥や大雪ということは少ないそうなのですが、その分、夏は魚焼きグリルの中にいるかのような、ジリジリとした暑さに見舞われるところも……。
季節の半分以上は冬のカナダや、州によっては年間降水量が日本の1週間分しかないアメリカ等、どこにいても、それなりの気候問題はあるものです。
こうした気候による花粉症状には、自分ができることで対処していくことによって、冬の乾燥による体調の変動を小さくしていくしかないでしょう。
乾燥で花粉症症状を悪化させないためにできること
【加湿器をつけよう】
寝室・オフィスには加湿器は必須アイテム。
加湿器によって湿度を上げることで、空気中に漂っている花粉を下に落とすことができますし、肌の乾燥を防ぐことが出来ます。
エアコンで乾燥している場所や、人の出入りが多いオフィスはもちろん、寝ている間に大量の花粉を吸い込んだり、シーツや枕で肌が擦れやすい睡眠時に寝室を加湿することによって、モーニングアタックを防ぎ、寝ている間の肌や、喉や鼻の粘膜の潤いを保たせてくれるでしょう。
【極力肌を露出させる服装は避ける】
顔に限らず、足や腕、首筋なども乾燥しやすい部位。
冬の花粉シーズンの間は、長袖はもちろんだと思いますが、できる限りパンツスタイルで過ごし、襟元もハイネックのシャツを着る、スカーフなどで覆うなどをして、肌の露出を避けるようにしましょう。
【スキンケアを心がける】
スキンケアは一番大切な部分。
ポイント1つで、保湿効果が0になったり100になったりするので、気をつけましょう。
【敏感になる時期の保湿の大切なポイント】
- 洗顔の温度はぬるま湯程度で
⇒熱すぎるお湯で洗顔すると、必要な皮脂まで落ちてしまいます。 - 洗顔後顔をすすいだら、「タオルで拭かず」水滴が残った状態で化粧水をつける
⇒洗顔直後から皮膚の水分は抜けていきます。また、タオルで擦ると余分な摩擦が生まれてしまいます。 - アルコールフリー・無添加・無香料の低刺激、敏感肌用の化粧水を使うこと
⇒化粧水も刺激の一つになります。 - 乳液などは保湿タイプを使うとよし
⇒あまり油分が多いとニキビや吹き出物の元になりますので、セラミド配合など、油分ではなく水分保持優先の物を選びましょう。 - 特に乾燥する場所には馬油やワセリンで保護
⇒出かける前に油膜を張ることで、花粉の付着から肌を守ることができます。 - 顔だけではなく、全身に保湿を
⇒肌は顔だけではありません。お風呂上がりにはクリームやボディーミルクで肌を整えてあげましょう。 - ブラシやタオルでゴシゴシ体を洗わない。
⇒お湯に浸かるだけでも人の肌は綺麗になります。必要以上に擦らないようにしましょう。 - 食べ物にも気を遣いましょう
⇒皮膚の元となるタンパク質や、セラミド・コラーゲンをつなげる成分であるビタミン・ミネラルをしっかりと摂りましょう。
⇒場合によっては、サプリメントの利用もありです。
乾燥対策としてできることはたくさんあります。
全てをやるのは大変かもしれませんが、習慣にしてしまえば簡単なことですので、できることから少しずつ冬の乾燥からの花粉対策をしていきましょう。
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