NHKでも放送された「クロストリジウムと花粉症」の関係

腸内環境

クロストリジウム菌が花粉症に効果的!? その詳細を探ってみた

2018年1月14日にNHKで放送された「NHKスペシャルシリーズ 人体 真皮の巨大ネットワーク」にて、腸に住み着く腸内細菌と、免疫細胞、そして人体の免疫機能のバランスについて取り上げられました。

その中で、免疫細胞の暴走、アレルギー反応や花粉症等を抑える役割を「クロストリジウム菌」という腸内細菌が担っているのではと放送され、多くの反響が上がりました。

クロストリジウム菌とは?

アレルギーや花粉症との関係性とは?

そもそも腸内細菌が免疫反応を左右させているのはなぜなのか……といったことを中心に、このクロストリジウム菌の有効性を調べていきたいと思います。

腸内細菌と免疫細胞・免疫力の関係

よく、ヨーグルトや食物繊維を食べることによって、花粉症症状の緩和が期待できるということを紹介させていただいてますが、そもそも食べ物を食べてアレルギー症状が緩和できるというのは、なぜなのかを考えてみましょう。

花粉症対策に「ヨーグルト」実際とのところは効果アリ?ナシ?

2017.11.22

私達の身体の中には、菌やウイルスなどが侵入した際に、侵入した菌を攻撃し、体外へ出す仕組みが備わっています。

その仕組みが「免疫反応」と呼ばれる物なのですが、その免疫反応を起こす器官を免疫器官と呼びます。
その免疫器官の中でも最大きいのは「腸管免疫系」と呼ばれる、腸管の免疫器官です。

ただ、食べ物を吸収し、排泄するために用意された器官かと思いきや、腸壁等を作る粘膜上皮細胞の内側に免疫担当細胞があったり、腸管に点在している神経や消化管ホルモンなどが腸管免疫系の一部として働いており、人間の免疫力の70%をこの腸管免疫系で担っていると言われているのです。

そのため、腸内に住み着く腸内細菌が腸管内の免疫系の熟成や、機能維持に関わっていると考えられ、腸内環境が免疫バランスを左右すると言われているのです。

細菌

※イラストはイメージです※

クロストリジウム菌とは?

さて、免疫力と腸内細菌の関係がわかったところで、クロストリジウム菌とは何かを調べてみましょう。

クロストリジウム菌とは、クロストリジウム属に属する菌の一種。
クロストリジウム属の中には破傷風菌やボツリヌス菌などといった、怖い細菌もいるのですが、人間に無害な菌「共生細菌」と属されるものもたくさんあります。

腸内細菌は100~3000種以上もあると言われていますが、その中にある無害な共生細菌の数種類のクロストリジウム菌が、免疫抑制や炎症反応を制御する「Tレグ細胞」の生産を促すことが、東京大学の研究などで判明しました。

免疫細胞の暴走と言えば、アレルギーや花粉症。

つまり、簡単にまとめると、この免疫が暴走をしないように制御するのがTレグ細胞なのですが、それを生み出すためにクロストリジウム菌が必要だったというわけですね。

免疫細胞

※イラストはイメージです※

クロストリジウム菌の増やしかた

クロストリジウム菌は食物繊維を食べることによって、増加するのではと言われています。

入山し、精進料理……つまり食物繊維豊富な食生活で過ごしてきたお坊さんを調べた結果、クロストリジウム菌が平均よりも多く常在していたという結果も放送されており、また、お坊さん達に花粉症症状を発症させている方が少ないことからも、クロストリジウム菌と食物繊維の関係性がわかりますね。

元々和食は食物繊維の多い、ヘルシーなメニューでできています。
ですから、日本人は元々クロストリジウム菌を多く保有していたはずだったのですが、近年の食の欧米化によってそのバランスが崩れてしまったとも言えるでしょう。

食生活が変わるにつれて花粉症等が増加しているというのも、納得出来る結果でしょう。

精進料理

食物繊維を摂ろう

食物繊維を摂るために、精進料理ばかりを食べる……という必要はありません。

昔ながらの日本食はそれだけでも十分に食物繊維が豊富で、栄養バランスもとても優れていたメニューです。

穀物・芋・豆・野菜・キノコ・海藻を積極的に取り入れつつ、おやつとしてフルーツをとったり、お肉の代わりにお魚を食べる。
そういったことでも十分な食物繊維を摂ることができますので、積極的に和食を摂りつつクロストリジウム菌を増やしてみてはいかがでしょうか。

クロストリジウム菌が増えるという目的以外にも、食物繊維によるお通じの改善や、ダイエット効果。
さらにはお肌の環境改善なども期待でき、おすすめです。

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ABOUTこの記事をかいた人

ライター/印刷会社を得てフリーで活動するライター。自らのアレルギー・花粉症の経験を元に、多くの花粉症予防・対策について記事をしたためている。 健康オタクで、漢方・整体・鍼に詳しい他、毎日のエクササイズも欠かさない。