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ただでさえ不安になる妊娠期間にアトピーはどう作用するのか対処法と合わせて知ろう
元々アトピー体質の女性が妊娠するとどうなるのか?
妊娠中にアトピーが発症、もしくは再発する可能性はどれくらいあるのか?
そして、妊娠中のアトピー性皮膚炎の薬や対処法はどのようなものがあるのか?
色々と不安になる妊娠期間。
少しでも、一つでも不安要素になることを減らすためにも、アトピー性皮膚炎と妊婦の関係を調べていきましょう。
変化する女性の体にアトピー性皮膚炎は……?
女性は生まれてから閉経し、ホルモンが一定化するまで常にホルモンバランスが変化し続けていきます。
更年期などでも大きく変化するホルモンバランスですが、最も短期間に、大きく変動するのが「妊娠期間」。
妊娠することにより、妊娠を促すためのホルモンが止まり、今度はお腹の中で赤ん坊を育てるためのホルモンが出ます。
さらに、出産後には母乳を出すためのホルモン、再び月経を起こし妊娠を促すためのホルモンが出て……と1年くらいの間に、今までなかったほどのホルモンの変化が訪れてしまいます。
さらに、出産・育児によるストレスによって体のバランスも大きく乱れるため、女性の体はこの時期、日単位・時間単位で変化が起こります。
それにより、当然皮膚にも様々な変化が起こります。
【妊娠による皮膚変化の一例】
- 色素沈着が起こりやすくなる
- 多毛になる
- (体型の変化による)妊娠線
- (体重の変化による)下肢静脈瘤
もちろん、アトピー体質の場合、アトピー性皮膚炎が悪化したり、妊娠をきっかけに今まで出てこなかったアトピー性皮膚炎になってしまうケースも多いと言われています。
これは、ホルモンバランスの変化の他に、つわりなどで体調が悪くなってしまったり、皮膚が乾燥しやすくなってしまったり、逆に汗を掻きやすくなってしまって増悪することもあります。
ですが、妊娠中は胎児を異物として排除しないよう、自然と免疫力が落ちてしまうため症状が良くなる場合もありますので、いたずらに心配せず、もしアトピー体質だという自覚がある場合は、産婦人科や行きつけの皮膚科などで予め相談しておくと良いでしょう。
【妊娠中のアトピーの改善・増悪の確率】
2007年に海外で行われた調査によると、元々アトピー体質の女性が妊娠した場合、50%以上が炎症が悪化し、25%は改善され、残り25%は変わらなかったと報告されています。
また、妊娠中最も悪化しやすい時期は、妊娠中期~後期にかけてが最も悪化しやすい傾向があると言われています。
妊娠中のアトピー性皮膚炎の対処法
妊娠中は飲める薬がかなり制限されてしまいます。
それはアトピー性皮膚炎のお薬でも同じで、塗る薬であっても、慎重になってしまうことが多いでしょう。
基本的には保湿剤とステロイド外用薬の、塗り薬での治療となりますが、症状があまりに酷い場合や妊娠の時期によっては、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン薬を服用する場合もあります。
いずれも、産婦人科と皮膚科との連携が必要となってくるでしょう。
また、幼少期にアトピー性皮膚炎だった場合、大人になって落ち着いていたとしても、首や手、そして乳首の周りに湿疹が残ってしまうケースがあります。
この場合、後々のことを考えて、乳首の周りの湿疹に関しては、授乳開始前に治療をしておくことで、授乳期のトラブルを防ぐことができるでしょう。
心配なステロイドの影響
妊娠中のかゆみが悪化した場合の薬としてステロイド外用薬が出されることが多いかもしれませんが、心配なのはその副作用。
アメリカの薬剤胎児危険度分類基準では、ステロイド外用薬はカテゴリーC。
つまり、動物実験では有害作用があることが証明されているが、ヒトでの対照実験が行われていないため、人間での影響が未知数というカテゴリーです。
妊婦のステロイド外用薬使用における早産や、口唇口蓋裂の間には関係がないとされていたり、出産時の低体重に関してはステロイド外用薬使用による影響があるという報告もあり、まだしっかりとした結果が出ていない状態というのは事実です。
ですので、妊娠中でも中等度クラス以下のステロイドを一般的な分量で、かつ、短期間であれば比較的問題が無いのではと、処方されています。
やはり、こうした面でも情報は日々変わる可能性があるため、信頼のおける医師と相談の上、自己責任でもって使用を決める他ないのでしょう。
できる限り、サプリメントや毎日の食生活、そして保湿を心がけて肌の状態を保っていきたいところです。
アトピー性皮膚炎が引き起こす問題はない
薬などはできるだけ避けていきたいところですが、アトピー体質だからといって、その事自体が流産や、早産、胎児の先天性異常を引き起こす事はないと言われています。
但し、アトピー性皮膚炎が悪化して皮膚の最近感染や、ヘルペス感染を合併する事があり、そうした場合子宮内感染などから、流産や早産、発育不良などを起こすケースもありますので、妊娠の際は注意する必要があるでしょう。
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