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アレルギー性鼻炎と咳喘息の切っても切れない関係
アレルギー性鼻炎の人は「咳」も出やすいとされています。
ただの咳ならばまだなんとかなるのですが、アレルギー性鼻炎から起こる咳は「咳喘息」になりやすく、そのままズルズルと本格的な喘息になってしまうケースが多々あります。
今回は、そんなアレルギー性鼻炎と咳喘息について、すべて調べてみたいと思います。
なぜアレルギー性鼻炎の人は咳喘息になりやすいのか?
アレルギー性鼻炎の人は咳が出たり、そもそも咳喘息を発症するリスクが高くなるとされています。
なぜかというと……。
アレルギー性鼻炎は上気道と呼ばれる喉から鼻までの気道で発症するものなのですが、咳は気管支から灰までの間の下気道と呼ばれる部分で起こります。
この上気道・下気道。双方共に気道であることには変わらず、咳も鼻水もアレルギー性の炎症によって、たった一つの繋がった気道で起こっているのです。
そのためアレルギー性鼻炎も咳喘息も関連が深い物になるのです。
因みに、アレルギー性鼻炎を煩っている人は、そうでない人よりも咳喘息発症リスクが、約3倍も高くなるという研究結果も出ています。
また、アレルギー性の咳のことを近年ではアレルギー性咳嗽、肺に関わる疾患のことをアレルギー性肺疾患と呼ぶこともあります。
咳喘息について
咳喘息とは?
咳喘息は喘息と少し異なり、呼吸困難や喘鳴(呼吸時に聞こえるゼーゼー・ヒューヒューといった音)がみられず、咳だけが続く症状のことを言います。
そのため、咳喘息は正式には喘息ではないのですが、喘息の亜種……のような扱いになっています。
咳喘息が悪化していくと、喘息になってしまうのですが、成人のおよそ30%前後が喘息になってしまい、子どもではさらに高い割合で気管支喘息になってしまうと言われています。
症状
就寝時~早朝に悪化することがあり、発作的な激しい咳が出ます。
上気道炎・冷気・運動・喫煙・天候によって症状が出る事が多く、激しく咳き込むことにより、喉が切れて血が出てしまうこともあります。
治りが悪く、一度症状が出ると3ヶ月~半年間咳に悩まされることもしばしば見受けられます。
類似した咳症状のもので「アトピー性咳嗽」というものもありますが、こちらは喉や気管のイガイガ感を伴う、乾いた咳をしてしまう症状です。
咳喘息と同じく、寝ているときや冷気、たばこの煙でも症状が起こってしまうのですが、会話やエアコンの温かい風でも症状を誘発させてしまうという特徴があります。
どちらも対処法は同じような物なのですが、咳喘息と異なり「気管支拡張薬」が無効であるため、「イガイガ感があるかないか」は診断時に伝える重要なことだと思います。
原因
外部からのアレルゲンに対するアレルギー症状がほとんどですが、咳をすることによって傷ついた気管支などがさらに過敏になることによっても、激しい咳が続くようになってしまいます。
そのため、普段は咳喘息を持っていない方でも、花粉等が刺激になり咳喘息を発症してしまう可能性があります。
因みに、実際に喘息がある方の3分の2は花粉症などアレルギー性鼻炎も併発しています。
まさに悪循環を呼ぶ症状ですので、咳が止まらない、発作的な咳が出ると言う場合は速やかに病院へ行くことが大切です。
【原因となる主なアレルゲン】
- タバコの煙
- 天候(特に冷気)
- 激しい運動
- ストレス
- ハウスダスト
- カビ
- ペットの毛やフケ
- 花粉
- ダニ等
治療法
吸入ステロイド薬を吸引することがメインの治療となります。
このような吸引ステロイド薬があります。
また、オノンやシングレアなどの気管支向けのアレルギー薬の服用も効果的で、何らかの理由でステロイドの吸引ができない場合は、こうした内服薬での治療だけを行うこともあります。
もし吸入ステロイドを使っていても咳が治まらず、何ヶ月も続くような場合は、専門検査を行い、本当に咳喘息かどうかの本格的な検査をおすすめします。
咳喘息を起こさないために
1:アレルギー性鼻炎の方は、アレルゲンを極力避けるようにしましょう。
小まめな掃除、特に寝具のシーツなどはよく洗いましょう。
また、外出の際はマスクの着用なども有効でしょう。
2:疲れやストレスを溜めないこと。
疲れやストレスは咳の発作を誘発させます。
3:飲酒やたばこは止めましょう。
アルコールやタバコは気道を狭くしてしまいますし、ニコチンやタールは気管支を傷つけてしまいます。
どうしても止められないという場合でも、せめて咳喘息が治るまでは控えるようにしましょう。
4:咳喘息が起こる条件を覚えておきましょう。
季節の変わり目や気温の変化など、トリガーとなるポイントを覚えておくと、あらかじめ対処しておくことができやすいです。
5:アレルギー性鼻炎を悪化させないよう、対策をしていきましょう。
アレルギー性鼻炎だからといって放置せず、薬を飲んだり、サプリメントを飲んだりという対処を行い、悪化させないようにしていきましょう。
6:喉の潤いをなくさないようにしましょう。
乾燥すると咳が出やすくなります。
飴やガムを持ち歩き、乾燥しそうになったら口に入れて唾液の分泌を促しましょう。
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