惑わされないで!!「花粉症にまつわるジンクス」あれこれ

ジンクス

花粉症に関するジンクスや噂を徹底解明!

花粉症や花粉症対策にまつわる噂はたくさんあります。

「○○すれば花粉症は治る」

「○○で一生薬を飲まないでも大丈夫」

「花粉症は○○するから発症してしまう」

こう言ったうわさ話や、知識は、大衆知識とも言われる出所のわからない話。

では、花粉症にまつわる大衆知識にはどのような物があるのか。

その真偽のほどはどうなのか、調べてみました。

花粉症はほっておけばいつか治るという噂

放置

中年男性に多いのが「花粉症なんかほっておけば、いつかよくなるものだ」という謎の自信。

これは、あるとき花粉症症状に悩まされた人が、翌年には症状が治まっており、特に薬など飲む必要性がなかった……と感じたり、話したりしたことから出た考えだと思われるのですが、これには大きな穴があります。

花粉というのは毎年毎年、同じ量が飛散されているわけではありません。

ある年によっては多く、ある年は少ないこともあり、そこまで酷い花粉症でもない限り、花粉飛散量が少ない年は症状が治まっているように感じる場合があるのです。

もちろん、本人の体調が良い年もあったり、転職などでストレスがなく、症状が落ち着いている場合もあるのですが、基本的に一度発症してしまった花粉症は、舌下免疫療法など何もせずに「治る」ということはありません。

また、日本の場合この考えの方が多いのかもしれませんが、「花粉症ごときで騒ぐな」という、根性論から、症状が出ていても放置してしまう世代が多いのかもしれません。

放置しても治るものでもありませんし、悪化した場合、蓄膿症や発熱などの二次障害に繋がることもありますので、なんらかの対処法を行うようにしましょう。

花粉症は60歳まで我慢すれば治るというジンクス

老人

これも、少子高齢化の日本では多い噂。

確かにアレルギーというものは免疫力が過剰に反応を起こしてしまっている状態なので、高齢になり免疫力が下がってくると症状が出ないのではと思われるかもしれません。

ですが、90歳の高齢者が花粉症になってしまった事例もあります。

筆者の回りでも、知り合いの老人ホームでも、60歳を過ぎて花粉症になってしまった人がたくさんいます。

自分はもう高齢だから大丈夫と油断せず、花粉シーズンは自衛も兼ねてマスクくらいはするようにしましょう。

アレルギーバケツ理論の真実

バケツ

アレルギーというものは、身体にアレルゲンが蓄積されていき、それがある日「バケツから水があふれるように」爆発して、症状が出てしまう――これがアレルギーバケツ理論といいます。

とても納得のできそうな俗説なのですが、実はこれ、医療的には「???」といったところ。

まず、このアレルギーバケツ理論が正しいとなると、免疫療法が逆効果になってしまうことになります。

舌下免疫療法は、身体に少量ずつのアレルゲンを入れることなので、せっせとバケツに水を入れているようなもの。

そのようなことを専門家がするはずもなく、また、効果が出ている人が大多数なので、この理論に矛盾があることがわかりました。

確かに、アレルギーには準備期間があり、初めてスギ花粉を吸い込んだからといって、すぐに花粉症になるわけでもないのですが、それは、アレルゲンの侵入によって、IgE抗体が作られる期間があるから。

ですが、その後、花粉症の起爆スイッチがどのように押されるのか、その原因は今でも謎。

血液検査で陽性でも、本人は全くくしゃみも、鼻水も出ないケースもあり、まだまだ医学的な研究が必要な部分と言えるでしょう。

花粉症は遺伝する

遺伝

両親がアレルギー体質だと、子どももアレルギー体質になるという噂ですが、これは事実ありえます。

また、両親がアレルギー体質でなかった場合でも、祖父母や血族にアレルギー体質の身内がいた場合、子どもが花粉症になることもありえます。

ただし!!

親が花粉症だからといって、子どもが100%花粉症になるか……というとそうでもなく、生活スタイルや健康状態、住んでいる場所などによっては、症状が全く現れなかったり、出てもたいしたことがないということも多々あります。

花粉症の場合、両親の遺伝という目安はあるものの、それよりも現在のライフスタイルや体調の方が、その程度を左右させることが多いでしょう。

田舎に住めば花粉症が治るというジンクス

田舎

これは、田舎に引っ越しをしたり、どこかの地方に旅行に行った際に、症状が軽くなったというところからでた噂だと思うのですが、始めに書いたとおり、花粉症が自然に「治る」ということはまずありえません。
(もちろん、例外はあるかもしれませんが)

ですので、たまたま行った先で、スギやヒノキといったアレルゲンとなる花粉を出す樹木が少なかったということや、環境が変わりストレスが軽減されて体調に影響を及ぼした……というケースが考えられます。

もちろん、今度は引っ越した先で、シラカバやハンノキなど別の花粉症に悩まされることもあり得ますので、花粉症に悩んでいるからといって、安易に引っ越しを考えないようにしましょう。

妊娠・出産で花粉症が治るという噂

妊婦

女性によく聞く噂ですが、出産や妊娠によって花粉症が軽くなるケースがあるというのですが、これは……。

花粉症は単純に「出産したら体質が変わって、花粉症が治った」というような、簡単な症状ではあり得ません。

女性の場合、妊娠・出産によって、ホルモンバランスが大きく変動し、体質や免疫の状態が変化することが多々あります。

それによって、症状が一時的に落ち着く場合もありますが、出産が終わり、数年経つとホルモンバランスは元の状態に戻ります。

その時になっても症状が出ないというケースはほとんどなく、医療的にも疑問が残る噂なので、話半分程度に聞いておくと良いでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ライター/印刷会社を得てフリーで活動するライター。自らのアレルギー・花粉症の経験を元に、多くの花粉症予防・対策について記事をしたためている。 健康オタクで、漢方・整体・鍼に詳しい他、毎日のエクササイズも欠かさない。