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名前は似ているけど別物「ディレグラ」の全て
2013年2月に発売された「ディレグラ」。
サノフィ株式会社より発表されたものですが、一瞬「アレグラ系?」と思えるようなネーミングです。
確かにアレグラとディレグラは成分が似ており、第二世代の抗ヒスタミン薬であるアレグラに、血管収縮作用をもたらす、塩酸
プソイドエフェドリンを配合したもので、1錠でくしゃみ・鼻水・鼻づまりと言った、三大鼻症状にかなり効果をもたらすお薬です。
アレグラは花粉症のお薬としてはかなりメジャーなもので、市販でも購入することができます。
ですが、アレグラは副作用も少ない分鼻づまり(鼻閉)にも効果があまり期待できません。
そこで、α交感神経刺激剤であるプソイドエフェドリンを足して、鼻粘膜の血管を収縮させ、充血や腫れを軽減させることによって、鼻づまりにも効果的なお薬にしたものです。
乱暴な言い方ではありますが、アレグラに経口の点鼻薬を足したようなイメージですね。
しかし、アレグラはほとんど副作用がないようなものですが、ディレグラは強さがある分少々副作用が出やすいところもあります。
そんなディレグラについて、詳しく調べてみましょう。
ディレグラ配合錠
商品名:ディレグラ配合錠
成分:フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン
直径17.5mmとアレグラよりもかなり大きめ。
処方薬でのみの販売となっています。
ジェネリックはなし。
薬価:1錠59.70円。1日2回、1回2錠なので、1日238.8円。1週間分で1671.6円になります。(保険で3割になります)
結局アレグラとの違いは?
鼻づまりを改善させるための塩酸プソイドエフェドリンが入っているかどうか。
アレグラよりも粒が大きいのは、1錠中のプソイドエフェドリンの含有量が10%を超えてしまうと、覚せい剤原料になってしまうため、大きい粒を1回で2錠飲む必要があったのです。
覚せい剤原料と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、プソイドエフェドリンは交感神経を刺激する作用があるため、そういった点で覚醒作用がある成分とされているだけですので、ディレグラは安心して服用して大丈夫です。
服用の条件
小児への服用は不可。
12歳以上で、かつ、鼻づまりの状態が中等以上の状態であること(常に鼻づまりを感じる、息苦しさを感じるレベル)が条件です。
妊婦には要相談の上可能とされていますが、安全性の確立はされていないので注意しましょう。
授乳中の場合は、動物実験で乳汁への移行が認められているため、服用をしないか、授乳を避けるかとなります。
また、下記の症状が認められる場合は禁忌とされています。
- MAO阻害薬を服用中
- 強い高血圧
- 心臓病がある
- 緑内障がある
- 前立腺肥大症
- エフェドリン系のアレルギー体質
- 交感神経刺激薬に弱い
ディレグラの飲み方
ディレグラは少し特殊な飲み方が必要です。
ディレグラは食後や、食事と一緒に飲むと薬の吸収が悪くなってしまい、速やかに鼻づまりが改善されません。
ですので、起きてすぐ(起床時)と、夕方の空腹時(夕食前など)の1回2錠・1日2回の服用とされています。
空腹時に飲むタイプだと、ビラノア錠などもありますが、あちらも薬の吸収をしっかりとさせるために空腹時に服用することを進められていましたね。
ちなみに、空腹時というタイミングがわかり難い場合は、「食後2時間以上後」もしくは「食事をとる1時間前」と覚えておいた方が良いでしょう。
ディレグラの主な副作用
ディレグラの副作用は、アレグラと同じように眠気や倦怠感、口の渇きなどの他に、プソイドエフェドリンの影響で頭痛、発疹、不眠といった、眠気とは反対の症状が出ることがあります。
特に、自律神経が弱い(敏感)な方だと、夜眠れなくなったり、吐き気やめまい、立ちくらみなどの症状がでるケースが多いとされています。
もちろん、肝臓障害や、アナフィラキシーショックと言った副作用も、100%ないわけではないので、自分の体に変化があった場合はすぐに医療機関に相談しにいきましょう。
ディレグラの注意点は長期服用がしにくいところ
ディレグラとアレグラのもう一つの違いがありました。
それは、長期服用しやすいと言われているアレグラに対し、ディレグラは2週間を目処に長期服用を避けるようにと言われている点です。
ディレグラは速やかに症状を改善する薬のため、2週間ほど服用して改善したら他の抗ヒスタミン薬を処方してもらうか、改善されない場合は、別のお薬を処方してもらうなどの必要があります。
とはいえ、ディレグラの副作用は服用初期に発言する物がほとんどですので、健康で若い方の場合、そこまで神経質になることもないでしょう。
ディレグラのおもしろい副作用?~ゴーストタブレット~
ディレグラのあの大きい錠剤には、徐々に薬が吸収されて長期的に効くような設計がされています。
そのためディレグラを服用後に排便をすると、しばしばディレグラ錠の殻カプセルが便の中に混ざって出てくることがあります。
これは、吸収されなかったわけではなく、錠剤の抜け殻だけが出てきただけですので、「吸収されずに出てきてしまった!」と、すりつぶしたりして飲んではいけません。
このような錠剤の抜け殻の事を「ゴーストタブレット」といいますが、意外と驚かれる方も多いので、医療機関ではちゃんと説明してくれるとよいですね。
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