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スカイロン点鼻薬はアレルギー性鼻炎の救世主となるのか
2006年に大日本住友製薬から発売された粘膜付着型鼻過敏症治療剤「スカイロン点鼻薬」は、売上見込みを4億と見積もるほど、期待のできるアレルギー性鼻炎の点鼻薬でした。
アレルギー性鼻炎のお薬「エバステル」との相乗効果を狙ったもので、鼻腔内に薬がちゃんと残るようゲル基剤を用い、噴霧器自体も液だれせずに、あらゆる角度から噴霧できるよう工夫された、まさにアレルギー性鼻炎専用の点鼻薬として開発されたものです。
スカイロン点鼻薬の特徴
まず、容器に工夫が施されており「液だれが少ない」「どのような角度からでも噴霧ができる」「使用時に溶液を振る必要がない」「プラスチック臭などを抑えて不快感がないように」と、利便性を追求しています。
そのお陰で、鼻の奥にしっかりと液が付着し、余分な薬を吸い込んだり、せっかく噴霧した液が滴り落ちたりといったことがなく、点鼻薬に不慣れな人でも使いやすくなりました。
また、液自体に臭いがないため、点鼻薬が苦手な人でも使いやすくなっています。
スカイロン点鼻薬の効果
スカイロン点鼻薬はステロイド成分(フルチカゾンプロピオン酸エステル)を含むものですが、鼻部分のみに作用するため、副作用の心配はあまりありません。
スカイロン点鼻薬は鼻の中の炎症を抑え、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりを改善します。
アレルギー性鼻炎の他、血管運動性鼻炎にも効果的です。
スカイロン点鼻液と同じ成分を含む「フルナーゼ」という点鼻薬の臨床試験では、アレルギー性鼻炎に対しての効果が84%以上であったという報告がされています。
これは、鼻が詰まっていて息苦しい、くしゃみが頻発する……といった問題が、気にならなくなった、もしくは全く感じられなくなったという、中程度以上の改善が84%以上あったという結果ですので、とても期待ができる結果でしょう。
スカイロン点鼻薬の使い方と注意
スカイロン点鼻薬は通常の点鼻薬と同じような使い方です。
1日2回。左右の鼻に各1噴霧ずつ吹き入れていきます。
ただし、医師の指示の元であれば、1日8噴霧まで使用可能ですが、自己判断で勝手に噴霧回数を増やしたり減らしたりすることはやめましょう。
因みに、スカイロン点鼻薬には28噴霧(28回噴霧ができる)ものと、56噴霧用のものがありますが、通常の使い方(1日2回、左右1噴霧ずつの4噴霧)であれば、28噴霧用は1週間、56噴霧用は2週間もちます。
注意点としては、使用前に予め鼻をかんでおく。
そして、噴霧後は数秒間上を向いて鼻の奥まで液を行き渡らせるようにする。
使用後すぐに鼻をかまないようにする。
使用後はスプレーの先をティッシュなどで拭き取って、衛生的にしておくということでしょう。
これらは、どの点鼻薬でも同じ注意事項となりますので、スカイロン点鼻薬に限らず注意するようにしましょう。
スカイロン点鼻薬の副作用
ステロイド成分を含むため、副作用が心配だと思われますが、点鼻薬自体は鼻にのみ作用するものなので、通常の使用方法を守っている限りは、そこまで大きな副作用が出ることはありません。
ただし、長期間にわたり、大量に噴霧し続けるような使い方をした場合、粘膜が薄くなったり、余計炎症してしまうことがあります。
その場合、鼻血が出てしまうこともあります。
副作用が出た場合は、「刺激痛」「乾燥」といった、鼻の不快症状が主に挙げられます。
まれに、成分にアレルギー反応が出てしまい、蕁麻疹や呼吸困難といったアナフィラキシーショックが起こることがありますが、その場合はすぐに救急病院へ行くなど対処しましょう。
スカイロン点鼻薬が使えない人
スカイロン点鼻薬が使えない場合があります。
- 感染症(真菌症)に感染している場合。
- 妊婦
- 子ども(アラミスト点鼻液は子どもでも使用可能)
- 長期・大量の全身性ステロイド両方を行っている場合
- 鼻ポリープがある場合
- 高齢者
但し、上記の状態であっても使用に問題が無い場合もありますので、まずは医師に相談してみましょう。
また、スカイロン点鼻薬と注意が必要な飲み合わせがあり「薬物代謝酵素を阻害する薬」「リトナピル」「降圧剤」などを飲んでいる場合は、薬の作用が消されてしまったり、逆に大きくなってしまう場合があるので、医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
スカイロン点鼻薬は市販で買えるの?
スカイロン点鼻薬は基本的に処方薬です。
スカイロン点鼻薬の主成分であるフルチカゾンプロピオン酸エステルは市販薬としては認可されておらず、もし似たような作用を求めるとしたら「ナザールAR」「コンタック鼻炎スプレー」「パブロン鼻炎アタック」などを選んでみると良いでしょう。
因みに、フロラ―ズ点鼻液・フルナーゼ点鼻液・キリガミール点鼻液・ファビ点鼻液と同じ主成分でできています。
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