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CO2レーザー・高周波ラジオ波・半導体ダイオード/選べる花粉症治療
薬を飲んでもキリがないほどの鼻水・くしゃみが出る。
受験や妊娠出産を控えていて、薬を飲めない。
そもそも、薬が体質的に合わない。
そんな時の花粉症治療に役立つのが、花粉症レーザー治療……つまり、鼻粘膜をレーザーで焼いてしまう手術です。
一昔前までは、レーザーの種類も1種類しかなく、できる病院も限られていましたが、今では、機器のある所なら大抵の耳鼻咽喉科で手術可能で、レーザーの種類も複数選べるようになりました。
今回は、さらにレーザーの種類の増えたこの花粉症のレーザー治療に焦点を当て、どのようなレーザーの種類があるかをお伝えしたいと思います。
王道「炭酸ガスCO2レーザー」
CO2と言えば、二酸化炭素。
この炭酸ガスCO2レーザーは、水に吸収される波長で、「止血・凝固・切開」の3つが同時にできるレーザー波なのです。
かなり前から医療現場で使用されているレーザーなので、実績があり、最も安心できる方法です。
「切開」と書くと鼻粘膜を切除するのかと驚いてしまうかもしれませんが、アレルギーの発症地点である、下鼻甲介の粘膜部分を焼くだけで、炭酸ガスCO2レーザーは深いところまで焼くわけでもないため、出血も少なく安全です。
耳鼻咽喉科では最も信頼のあるやり方として、まず、安全度の高いこの炭酸ガスCO2レーザーを進められることが多いでしょう。
【もちろんあるデメリット】
炭酸ガスCO2レーザーは、使い勝手は良く、体へのダメージの最も少ないレーザーなのですが、水に吸収される波長であるため、鼻水が出ている状態だとレーザーが吸収されて手術することができません。
ですので、炭酸ガスCO2レーザーで治療する場合は、シーズン前出鼻水などが出ていない状態であることが前提です。
また、表面をバーナーでよく炙るような手術をすることから、医師の間では「ウェルダン両方」とも言われています。
つまり、念入りに焼いていかないと効果がでないため、執刀医によっては、1年も持たないということもあり、術者の腕に左右されることが大きいでしょう。
こだわりの「アルゴンプラズマ凝固治療」
以前も紹介したアルゴンプラズマ凝固治療。
これは別名「半導体ダイオードレーザー」というもので、レーザービームを直接鼻粘膜に当てて、焼いていくようなイメージの物となります。
炭酸ガスCO2レーザーが水に吸収されてしまうことに対し、このアルゴンプラズマ凝固治療で使われる、YAGレーザーやArアルゴンレーザーは水に吸収されません。
そのため、既に鼻水が出てしまっている状態や、シーズン中であっても手術可能というメリットがあります。
【もちろんあるデメリット】
レーザーが水を通すということは、場合によっては、鼻粘膜の深い部分まで焼いてしまい、痛みが生じたり、出血があったりということもあり、その加減が術者(医師)の腕次第という難点があります。
もちろん、麻酔などを使用して手術はしますが、しっかりと焼かれてしまうので、そうした部分での覚悟は必要でしょう。
また、痛みはCO2レーザーよりも少ない、もしくは同じくらい……と言われていますが、手術中は蒸し焼にされているような臭いが続くため、医師の間では「ミディアムレア療法」と呼ばれています。
この臭いが苦手な人にとってはキツイ治療法かもしれません。
最新!?最先端の病院が取り扱い「高周波ラジオ波」
ラジオ波凝固治療ともいわれ、簡単に例えると高周波電気を用いて鼻粘膜を焼いていく治療法です。
レーザー治療を繰り返しても、鼻づまりの症状が改善されない方向けの治療法で、レーザー治療と同じく、1度の手術で1年から数年は効果が持続します。
アメリカでは、日本と比べて、レーザー治療よりかはこの高周波ラジオ波での治療が多いのですが、手術中の痛みが強いため、全身麻酔での1泊入院が必要となっていました。
日本では、より痛みの少ない高周波ラジオ波の装置を使い、日帰りでできるようにしているクリニックがほとんどです。
【もちろんあるデメリット】
まず、この高周波ラジオ波を行っている病院がまだ少ないというところでしょう。
事前にこの手術方法が可能かどうかを確認した方が良いでしょう。
また、高周波ラジオ波は電極板を使用する手術となるため、ペースメーカーなどを使っている場合は、手術を受けることができません。
そして、レーザーでの治療よりも、治療時間が若干長くなることなどがデメリットとしてあげられますが、それ以外は半導体ダイオードレーザーとあまり変わらない感じでしょう。
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