アトピー性皮膚炎とタバコのまず~い関係

タバコ

皮膚のことだから関係ない? いえいえアトピーにタバコは悪い影響を与えていた

アレルギー患者にとっての大敵「タバコ」ですが、同じアレルギーでも目や鼻と言った粘膜に問題を抱えているわけではないアトピー性皮膚炎は、甘く見られがち。

ですが、皮膚は最も体の表面に出ている部分。

当然、タバコの煙も真っ先に触れる箇所です。

さらに、タバコの煙を吸い込むことによって、アトピー性皮膚炎が悪化する可能性もあるのです。

妊娠中の喫煙は赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になる可能性を増加させる!?

赤ん坊

妊娠中の喫煙はやめたほうがよいことは、広く知られていますよね。

それは、母胎が吸い込んだニコチンやタールによって様々な弊害が胎児に影響を及ぼしたり、血流に影響を及ぼし、妊娠出産時のリスクを上げてしまうから。

ですが、一部の妊婦さんや妊婦さんの側に居る方々は、この時代になってもタバコを吸い続けている人がいます。

もし弊害の中に「アトピー性皮膚炎になる可能性が上がる」という項目があったとしたら、それでも吸い続けるでしょうか?

妊娠中の喫煙における胎児へのリスク

調査

愛媛大学病院小児科によって、2005年にアンケート調査が行われました。

それによると「妊娠中に喫煙もしくは受動喫煙をした場合」の生後7ヶ月~1歳までの赤ちゃんは、喫煙や受動喫煙がなかった場合よりも、アトピー性皮膚炎と診断されたケースが多かったのです。

特に、親にアレルギーがない場合でも、妊娠28週目以降に喫煙や受動喫煙があった場合は、赤ん坊が皮膚疾患になる割合が38%と高確率に。
(喫煙・受動喫煙がなかった場合は、赤ん坊が皮膚疾患になる割合は26.6%)

この結果からわかることは、妊娠後期にあたり28週目以降は、体の中で異物を認識できるように免疫が作られ始める期間なため、その時期に母胎を介して流れてきたニコチンやタールなどを防ごうと、影響が現れたのではないのかとされています。

まだ、研究途中の話ではあり、アメリカ、ノースウエスタン大学でも同じような調査を行っており、その時の結果では、妊娠中の母親の喫煙は関係していなかった者の、受動喫煙によって、子どものアトピー性皮膚炎が悪化した割合は増加したともあります。

100%とは言い切れない結果ではありますが、母胎の喫煙・受動喫煙がもたらす胎児への影響は計り知れません。

妊娠中の方の側にいた場合は少しの間我慢をする。

妊娠がわかったお母さんは、これを機に禁煙をしてみるなど、たばこから遠ざかる方法を試してみるに越したことはないでしょう。

関連⇒アメリカノースウエスタン大学の原著論文URL

大人だからと言って油断もできないタバコとアトピーの関係

喫煙

妊婦さんがタバコを数なんて信じられない。

子どもの前でタバコを吸わなきゃいいんでしょ?

そんな事を言いつつも、大人だけの間で、もしくは自分だけの場所でタバコを吸う方はきっと多いでしょう。

ですが、大人だからと言って、アトピー性皮膚炎でも、もしくはアトピー性皮膚炎が小康状態だからといってもタバコを吸うことはおすすめできません。

タバコに含まれる有害物質は、ニコチンやタールを含めて約4000種類にものぼります。

ニコチンは血流を悪くさせ、活性酸素によって体内の細胞を酸化させ、肌の老化を促進させます。

つまり、肌にとってはニコチンはとても悪い物質。

もちろん、副流煙も肌に触れるだけで、肌に大きなストレスを与えます。

ビタミンCも壊れやすくなり、シミやシワ・くすみの原因になるものが、アトピー性皮膚炎に良いわけがなく、喫煙や副流煙によってアトピー性皮膚炎が悪化してしまったり、せっかく収まっていたアトピー性皮膚炎が再発してしまうケースも多々あります。

アメリカの皮膚科学会誌によると、「少量の喫煙でもアトピー性皮膚炎にとっては有害」という結果などが出ており、やはりアトピー性皮膚炎にとってタバコは避けた方がよい存在であることがわかります。

関連⇒「Journal of the American Academy of Dermatology」オンライン版

タバコでアトピー性皮膚炎を悪化させないようにするには?

禁煙

まず、自分がアトピー性皮膚炎だとわかっている場合は……タバコを吸わないことが基本です。

もし、友人や会社内で木転写がいた場合は、正直に肌が痒くなる旨を伝え、遠慮してもらうようにしましょう。

ですが、営業先や上司などで言いにくい場合は、長袖を着用し風邪などを理由にマスクをするなどし、極力タバコの煙を体や肺に取り込まないようにしましょう。

その後、帰宅したらすぐにうがいをしたり入浴をするなどし、体に付いたタバコの成分を落とし、できれば煙によって破壊されがちなビタミンCを補給するなどするようにしましょう。

喫煙者の方も、自分の煙によって、これからの日本を担う赤ん坊がアトピー性皮膚炎で苦しんでしまう可能性や、今目の前に居る部下などが体調を崩してしまうことを考え、タバコは決まった場所で、他の人に迷惑をかけない場所でそっと吸っていくように気を配れる世になるとよいと思います。

タバコ

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ABOUTこの記事をかいた人

ライター/印刷会社を得てフリーで活動するライター。自らのアレルギー・花粉症の経験を元に、多くの花粉症予防・対策について記事をしたためている。 健康オタクで、漢方・整体・鍼に詳しい他、毎日のエクササイズも欠かさない。