実は間違っている!? 花粉症対策のウソとホント

間違いの多い花粉症対策

花粉症対策には色々な方法がとられています。
中でも日常的に出来るような「予防の対策」に関しては、医者等の専門家ではなく、こうしたインターネットやテレビの知識で得た情報が多いかと思われます。
また、中には「どこで聞いたかわからないけれどもなんとなく……」といった情報や、「お隣さんがこう言っていたから……」といった理由で行っている花粉症対策もあると思います。

ですがその花粉症対策、間違っていないでしょうか?

今回は多くの人が間違って認識してしまっている「花粉症対策」「花粉症予防」の嘘・本当をピックアップし、一つ一つを解明していきたいと思います。

衣服に付いた花粉は玄関の前で払うのはNG

多くの人が「花粉は家に持ち込んではいけない」という認識があるかと思います。
それは、もちろん正解なのですが、そのために玄関の前で衣服を叩いて花粉を落とすという行為は実はNG。

「では、玄関の中で叩けばいいの?」と言われたら、それも違います。

衣服に付いた花粉はその繊維によって絡め取られた状態になっています。
それをパンパンと叩いてしまうと、まるでホコリが立つかのように、花粉も空気中に飛び出してしまいます。
そうなると、極身近にいる自分の口や鼻、目にもその花粉が飛び込んで来てしまい、花粉症症状が悪化してしまうのです。

では、どうしたら良いかというと……。

衣服に付いた花粉は、玄関先で「濡れ布巾」や「フローリングワイパー」などで優しく、花粉を舞い上がらせないように拭き取っていくのが正解
もちろん、粘着シート—コロコロでも大丈夫です。

空気清浄機はできるだけ顔の近くに置いたほうがいい?

花粉症対策の大型家電、空気清浄機。
大体がリビング・ダイニング。そして寝室なんかに置いている方が多いかと思います。
「舞い上がった花粉が鼻に入る前に吸い込んでくれれば……」

なんて思って、なるべく自分のそばに置こうとしている方はいませんか?
実はそれNGなんです、

花粉という物は存外に重い物質なので、実は舞い上がってもすぐに下へと落下していってしまいます。
なので、静かに寝ているときや、リビング・ダイニングで座ってテレビを観ているとき、勉強をしているときなど、じっと動かないでいる間は、ほとんどが床に落ちていっているのです。
ですので、自分のそばに空気清浄機を置いても、床に落ちている花粉をわざわざ吸い込んでくれるわけではないので、実はちょっと無意味だったりするのです。

では、空気清浄機はどこに置くのがベストでしょうか。
そう、一番花粉が舞い上がりやすい部分。
部屋の出入り口付近に向けて空気清浄機を置くのがベターなのです。

これでもベストではない理由は、一番花粉を持ち込みやすい場所は「玄関」だからです。
ですので、空気清浄機は玄関に置いておくのがベスト

ただし、夜寝ている間に寝返りや寝息などで舞い上がった花粉を吸い込んでもらえるよう、寝室にもあったほうが絶対に良いので、出来れば空気清浄機は2つ。
なければ、寝る前に玄関から寝室へ空気清浄機を持って行くようなスタイルでいくと良いでしょう。

ヨーグルトや甜茶・サプリメントを飲んでいれば花粉症は防げる!?

これも残念ながら「ウソ」です。

もちろん、ヨーグルト等で腸内細菌を増やし、免疫力を高めたり、免疫バランスを整えたりすることによって花粉症症状を抑える効果があると言えるのですが、花粉症シーズンにヨーグルトを食べたからといって、花粉症にならないわけではありません。
少なくとも半年から1年はヨーグルトや甜茶やサプリメントを飲み続け、それによって花粉症シーズンの症状が和らぐ可能性が高い……といった感じです。

もちろん、まったく取らないよりも、継続して少しずつでも取っていった方が間違いはありませんので、気を長く持って身体のためにこうした予防をするのは良いでしょう。

鼻洗浄・目洗浄は自宅でもした方がいい?

これはNGです。
鼻洗浄とは、俗に「鼻うがい」と言われているもので、花粉や膿み等を洗い流すために鼻に直接生理食塩水等を入れて、鼻孔を洗浄すること。
一見効果のありそうな方法に思えますが、自宅の水道水では浸透圧に違いがあり、また余計な雑菌が入り込む可能性もあるため絶対にやめた方がよいですし、なにも知らないでやってしまうと、勢いが強すぎる場合が多く、鼻孔が傷つくケースが多いと言われています。

目洗浄は、洗眼液を使って眼を洗うこと。
ですが、これもまずは眼の周りのメイクを落とし、綺麗な状態で洗顔液を使わないと、余計なアイトラブルを起こす原因となります。
それに、あまり目を洗いすぎると、涙として必要な成分まで洗い流すこととなってしまい、ドライアイの原因にもなり、眼科からはあまり進められない方法として知られています。

もし、鼻洗浄をするのならば、耳鼻科へ行き、鼻洗浄用の液をもらってやり方や回数などの指導を受けてきましょう。
そして、目洗浄もできるだけしないよう、人工涙液の目薬で花粉を洗い流すと良いでしょう。
人工涙液の目薬は、場合によっては防腐剤が入っており、それが元でかぶれたり、防腐剤アレルギーになることもあるため、できるだけ、使い切りの防腐剤や添加物の含まれない目薬をおすすめします。

花粉症の薬は酷くなってから飲んだ方がいい

薬を飲むのはできるだけ避けたいところですが、これも残念ながら間違いです。

花粉症の薬の大半は「アレルギーを予防する」「アレルギー反応を起こさないようにする」ために作られています。
そのため、くしゃみ鼻水目のかゆみ等、アレルギー反応が起こってから飲んでも、その症状が治まるまでは効果が発揮されず、時間がかかってしまいます。
ですので、花粉症の薬は酷くなる前に。
できれば、シーズンの1ヶ月前には病院へ行って、アレルギーの薬を飲んでいた方が良いでしょう。

もちろん、医療機関で相談し、その使用方法を医師に指示された上早め早めに行動することをおすすめします。

花粉症の薬はなにを飲んでも同じ

花粉症の薬には「第1世代」「第二世代」の抗ヒスタミン薬があり、それぞれ強さや飲む回数、副作用の強さが変わってきます。
また、抗ヒスタミン薬以外にも、即効性がるものの非常に強い効果を示すステロイドなど、花粉症の薬と言っても様々です。

今では花粉症の薬もドラッグストアなどで手軽に手に入る代物ですが、それでも副作用や容量は変わってきますので、できる限り一度は病院へ行き、医師の診断を仰いだ上で自分に合う花粉症の薬を飲んだ方が良いでしょう。

また、もしドラッグストアで全てを済ませたいと思う場合でも、薬剤師さんに相談の上、生活スタイルや花粉症の症状の重さに合わせた花粉症の薬を選んだ方が良いでしょう。

雨の日は花粉が飛ばない!?

残念ですが、そんなことはありません。

雨の日でも花粉は多少なりとも飛びますし、何より恐ろしいのは晴れた後の花粉の飛散量です。
雨によって地面に落ちた花粉が、雨が上がることによって空気中に舞い上がると、晴れ続きの時よりも多くの花粉が飛散することになり、通常よりも花粉症症状が悪化しやすくなってしまいます。
また、雨に濡れて柔らかくなったスギから、寄多くの花粉が放出されることとなるため、雨の日はより一層の注意が必要とも言えるのです。

ですが、「今日は雨だから花粉症対策はしなくていい」等と思わず、しっかりマスクや薬の用意をしてお出かけするようにしましょう。

花粉症対策の間違いのまとめ

 

・衣服に付いた花粉は玄関先でたたき落としてはいけません。

【正解】衣服に付いた花粉は、濡れ布巾・フローリングワイパー・粘着シートなどで優しく拭き取っていきましょう。

・空気清浄機は自分のそばに置いてもあまり意味がありません。

【正解】空気清浄機はできるだけ出入り口付近、できたら玄関に置きましょう。また、寝室にもあった方がよいです。

・ヨーグルトや甜茶やサプリメントで花粉症予防が完全にできるわけではない。

【正解】効果が無いわけではないので、少なくとも半年、できれば1年間くらいのスパンで摂取し続けてその効果を実感できるようにしましょう。

・鼻洗浄(鼻うがい)/目洗浄はあまりおすすめできません。

【正解】鼻洗浄を希望する場合は耳鼻科で相談し指導の上でやりましょう。目洗顔も人工涙液の目薬で代用し、できる限り刺激を与えないようにしましょう。

・アレルギーの薬は我慢が出来なくなる前に飲みましょう。

【正解】アレルギーの薬は予め花粉症症状を防ぐためのもの。できる限り早めに医療機関に相談し、シーズンが始まる前から飲み始めるようにしましょう。

・花粉症の薬には色々な種類があり、強さや飲む回数もことなるのでなにを飲んでもよいわけではない。

【正解】花粉症の薬にも合う・合わないがあるため、一度は医師に診察してもらうか、薬剤師さんに相談の上、自分に合った花粉症の薬を飲んだ方が良いでしょう。

・雨の日だからといって花粉症対策をしないでよいわけではない。

【正解】雨の日でも花粉は多少なりとも飛んでいます。また、晴れた場合は花粉の飛散量はとんでもないことになるため、雨の日でも花粉症対策をしっかりとしましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ライター/印刷会社を得てフリーで活動するライター。自らのアレルギー・花粉症の経験を元に、多くの花粉症予防・対策について記事をしたためている。 健康オタクで、漢方・整体・鍼に詳しい他、毎日のエクササイズも欠かさない。