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アトピー性皮膚炎に有効な漢方薬のあれこれ
アトピー性皮膚炎は幼少期に発症することが多く、また、成人性のアトピー性皮膚炎になってしまうと長期にわたり治療や予防をし続ける必要のある疾患です。
幼少期に発症した場合、できる限り体に負担の少ない方法で症状を緩和していきたいところですし、また、成人後もずっと薬を塗り続けるのも心配になってしまいます。
そんな「できる限り体に負担の少ないお薬」と言えば、サプリメントや漢方薬になりますが、今回は中国古来のお薬「漢方」に焦点を当て、アトピー性皮膚炎に効果的な漢方をご紹介していきたいと思います。
漢方から考えたアトピー性皮膚炎とは?
西洋医学と異なり、漢方は皮膚炎であっても体全体のバランスを見て診断していきます。
漢方医学(東洋医学)から痒みは「風邪」より起こると考えられており、体の中に熱が溜まっている状態であるから起こるとされています。
この体の中が熱いのに、熱が逃げない原因としては、気の流れが滞っている、そして、慢性的に内臓が弱っているからという訳です。
また、体に熱がこもり続けるために、血が少なくなってしまう血虚にもなり、皮膚がカサカサになってしまい悪循環に至るとも考えられているため、内臓を元気にさせること、ストレスを発散させて熱を困らせないこと、内臓に負担のかかる食事を改めることが重要とされています。
もちろん、幼児性のアトピー性皮膚炎と成人性のアトピー性皮膚炎ではまた、漢方の見方も変わりますし、人によっては血は十分あるけど、熱が逃げない。ただただ内臓が弱っているなど症状は様々ですので、漢方は自分で購入する前に、一度漢方薬局で相談するか、漢方医の相談を受けるのも大切でしょう。
アトピー性皮膚炎でよく出される漢方
補中益気湯
漢方の中でもかなり広い範囲で出されることの多いお薬。
補中益気湯は腸管免疫機能を高めてくれるため、免疫機能のバランスを整えてくれる働きがあります。
また、胃腸の働きを整えてくれる上に、「元気を補う(気を補う)」働きもありますので、エネルギー不足である内臓の回復を手伝ってくれます。
主に、気力がわかずだるくて疲れがなかなか取れない方に向いている漢方薬ですが、お腹が弱く肌に張りがない、食欲不振といった方に向いています。
因みに、漢方製剤の研究に置いて、従来の治療に補中益気湯のみを加えたところ、三ヶ月後には89%の方が状態がよくなったとされており、また、マウス実験でも、補中益気湯を投与したマウスは皮膚炎の発症が抑制されたとの報告も上がっています。
十味敗毒湯
化膿して赤くなってしまいやすいアトピー性皮膚炎の方や、ニキビなんかにも効果的な漢方。
冷えやむくみとりにも役立ち、成人性のアトピー性皮膚炎の場合にとても向いている漢方薬で、アトピー性皮膚炎以外にも気になる体質改善もできると評判です。
かゆみを抑え、炎症を鎮める。
腫れや化膿を抑える、毒素を排出する、血行をよくするといった、アトピー性皮膚炎以外の肌疾患におすすめの効果があるのも特徴で、江戸時代には水虫の治療にも用いられていました。
(十味敗毒湯自体、華岡青洲という江戸時代の医師が開発した漢方薬です)
少し青臭さが気になる漢方薬なので、錠剤タイプのものがあるならその方が飲みやすいかもしれません。
消風散
体力が中程度あり、かゆみが強く描いた部分からリンパ液が出てしまい、幹部に熱をもってしまっているような皮膚炎に進められる漢方。
とくにジュクジュクしたかゆみの強いアトピー性皮膚炎の場合に処方されることが多く、このタイプのアトピーは比較的若い方や、季節の変わり目に症状が出やすい方が多いと言われています。
この消風散という漢方は、かゆみを止めて体に体力を補ってくれる効果もあります。
ただし、蕁麻疹や湿疹で白くなるタイプ、熱くならないタイプのかゆみには効果が無く、ともかく熱っぽい、湿っぽいかゆみの場合に合うとされています。
そのため、元々乾燥肌で、ニキビが出やすいタイプの人場合は服用することによって、体の乾燥が強くなり、ニキビが増えてしまったり、肌に潤いがなくなってしまうこともありますので、ご注意ください。
当帰飲子
乾燥アトピーの場合の第一選択薬がこれ。
冷えや貧血の症状がある方や、成人性アトピーでも有効と言われています。
皮膚疾患の場合、広く使う事ができる薬なので、乾燥タイプのかゆみがある場合は、まず当帰飲子を選んでみてもよいでしょう。
肌に潤いと栄養を与えてくれるので、シミ改善にも役立つという嬉しい声もあります。
比較的飲みやすい漢方ですので、粉薬が苦手な方でもおすすめできる漢方です。
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