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どんな人でも起こりうる「アレルギー性気管支喘息」について知っておこう
「喘息」という病気を聞いたことのある人は多いかと思います。
喘息とは主に、気管支の炎症によって気管支が狭くなってしまう病気で、炎症を鎮めていかなければ呼吸がしにくくなってしまいます。
発作などで咳き込みが激しくなり、呼吸困難に陥ってしまう場合も多く、時には命を落とす危ない症状です。
成人の気管支喘息の多くがアレルギー性の気管支喘息「アレルギー性気管支喘息」であり、過去30年で3倍も増加したとも言われています。
喘息を原因とする死亡者数は20年前は年間1万人を超えていたとも言われましたが、2015年の調査では1500人ほどにまで減少できたとも言われています。
ですが、40歳を過ぎてから気管支喘息になるケースも多くあり、注意が必要な症状でしょう。
アレルギー性気管支喘息の症状
アレルギー性の場合、アレルギーにより、常に気道に炎症が起こってしまい、それが引き金となり気道が敏感になり、咳き込んだりして気道が狭くなる症状です。
主に
- 咳
- 痰
- 喘鳴(ぜんめい)(ゼーゼーという胸の呼吸音)
- 呼吸困難(息苦しさ)
と言った症状が現れ、酷い場合は
- 発作的な激しい咳
- 息苦しくて横になることすらできない
- 動けなくなる
- 話すことも息苦しくてできない
と、呼吸器官にとって非常に負担のかかる症状が現れます。
もちろん、日常生活を送れなくなってしまうケースもあり、あまりに苦しい場合は救急車を呼ぶなどといった手段をとらなくてはならないでしょう。
一人暮らしの人は、喘息の発作で呼吸困難になり、救急車を呼ぼうとしてもパニックになって電話をすることができなかったり、電話ができても住所すら声にできないこともあり、そうした場合に命を落としてしまうケースも少なくありません。
気管支喘息の診断方法
ガイドライン上では6つのポイントが上げられています。
- 息苦しさ、続く咳症状、喘鳴
- 可逆性の気流(呼吸)制限
- 他の病気である可能性がないこと
- 気道過敏症が進んできていること
- アトピーやアレルギーを持っていること
- 気道が炎症していることの確認
この中でも特にポイントとなるのが「喘鳴」。
これは「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という胸から聞こえる呼吸音のことで、それを確認するために医者が聴診器を胸に当てて呼吸音を確認したりするのです。
この喘鳴は気管支が狭くなった時に聞こえる、いわば「細い管を空気が通る時の音」なのですが、「咳喘息」では聞こえないので、そうした点でも重要な判断材料になります。
アレルギー性気管支喘息の検査方法
- 皮膚反応テスト(アレルギー反応の有無を確認する)
- 血液検査(血中アレルギー関連物質の確認)
- 吸引誘発テスト(アレルゲンを吸い込んで発作が起こるかどうかを確認する)
- 喀痰検査
- 気道過敏性検査
- 呼吸機能検査(肺活量検査)
- 胸部X線検査
このような検査を行い、気管支喘息であるかどうか、アレルギー性の物であるかどうかを確認していきます。
ですが、成人の気管支喘息の多くが、アレルゲンが何であるかを特的できないケースがほとんどで(非アトピー型)、風邪や疲れ、ストレスでさえも喘息の原因となり得るのです。
もちろん、気管支が狭くなる病気はこのほかにもたくさんあり、
- 心不全
- 肺気腫(COPD)
- 肺炎
- 咽頭炎
- 気管内異物
といった原因でも気管支が狭くなり、咳が出たり、呼吸困難になったりします。
これらを含め気管支、気道に関する病気は、命に直結するケースが多いため、しっかりと検査をして治していく必要があるのです。
アレルギー性気管支喘息のアレルゲンの見つけ方
先ほども述べたように、アレルギー性気管支喘息の場合、その原因物質となるアレルゲンを見つけるのはとても難しいと言われています。
レアケースですと、仏壇屋さんに就職した20代の男性が、「鳥の羽(の粉)」アレルギーを持っており、仏壇の埃を払うための鳥の羽でアレルギー性気管支喘息が発症、自宅の羽毛布団や公園の鳩の羽でも咳が出るようになってしまい、その原因を突き止めるまでに1年以上がかかり、あわや死にかける……というケースもあったそうです。
アレルギー性気管支喘息の場合、まずはアレルギー体質かどうかを確認、その後、どういったアレルゲンで反応するのかを確認していきます。
【アレルギー性気管支喘息のチェック方法】
- アレルギー性鼻炎があるか?
- アレルギー性皮膚炎があるか?
- 花粉症かどうか?
- 動物に近づいたときに咳は出るか?
- 古い建物に入るとどうか?(ダニやカビに反応しているのか)
- 特定の食べ物で咳が出ているのか?
- 特定の薬で咳が出ているのか?
命に関わる分、しっかりと確認していく必要性のあるアレルギー性気管支喘息。
年をとっているから安心というわけでもないため、身に覚えのない咳が出るようになったら、速やかに病院へ行きしっかりと検査をしてもらうようにしましょう。
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