アトピー性皮膚炎海外事情!

世界

当然ある海外でのアトピー性皮膚炎の実態

日本国内だけに住んでいると、アトピー性皮膚炎で悩まされる友人などが多く見受けられるため、まるでスギ花粉症のように「日本だけの病気」という感覚になってしまうかもしれません。

ですが、アトピー性皮膚炎はアメリカ、イギリス、中国など、海外でも数多くの人が悩まされている疾患です。

今回は海外でのアトピー性皮膚炎の現状や、その国ならではの治療法などを確認し、日本での治療と見比べてみましょう。

お隣「中国」の場合

中国

 

中国では大気汚染の影響か、やはりアトピー性皮膚炎の若年者や学童が増えているそうです。

北京大学人民医院で2016年に行った調査では、アトピー性皮膚炎の患者の77.5%が12歳以降に発症していると報告しているため、乳幼児、もしくは成人後に発症の多い日本に比べ、遅発性だと言えるでしょう。

また、世界的に見てアトピー性皮膚炎は日本が最も有症率が高いと言われており、増えてきたと言っても中国ではまだアトピー性皮膚炎の有症率は低いそうです。

この結果から、私個人で思うのは、中国で発症しているアトピー性皮膚炎は環境由来が多く起因し、日本では遺伝子由来が多く起因しているのではとなんとなく思います。

ただ、医療機関での調査で同じ黄色人種間であるにも関わらず、このような違いが生じること自体、環境の違いが原因ではあるとは思われます。

参考文献⇒日本・中国アトピー性皮膚炎調査

参考文献⇒中国のアトピー性皮膚炎基準

因みに中国ではアトピー性皮膚炎は根本治療を目指して、漢方をメインに処方していきます。

漢方の考えでは、辛いものや油物を食べ過ぎたことにより、体が熱を帯び、内臓が弱くなり、熱が体から外に出なくなり、血を消耗し、肌が乾燥し、皮膚が栄養を失い肌が痒くなる(アトピー性皮膚炎になる)となり、まずは内臓を整えるために食事制限や、漢方の服用となるそうです。

漢方薬の歴史が深い中国ならではの治療法ですね。

アメリカの場合

アメリカ

アトピー性皮膚炎は「Chronic(慢性) アトピー」と呼ばれ、アメリカでも起こっているのですが、日光が多く、海の近く、また比較的涼しい地域の場合、アトピー性皮膚炎は起こりにくいと言われています。

そのため、日本より気候が安定していたり、涼しい地域、また暑い地域でも海に面している国がそろっているアメリカでは、そこまで多くはありません。

とはいえ、一番の問題は「医療制度」。

アメリカは保険制度が無い上に、治療代が高額になることで世界的な問題となっている国ですが、そのためアトピー性皮膚炎で病院にかかることは滅多にありません。

代わりに、サプリメントが発達しているため、「ビタミンB」「ロイヤルゼリー」「L-システイン」などかゆみを抑制したり、皮膚や粘膜を保護する栄養素を薬局で買うケースがほとんどです。

そのため、日本でも話題になった「ビオチン療法」という「ビタミンH」「ビタミンC」「乳酸菌」を通常より多く摂り、アトピー体質を改善していくという治療法を行っている人も多いのです。

また、アレルギー検査も通販で少量の血液サンプルを送って、結果を郵送してもらうなど、日本ではあまり考えられないような方法が多く見られます。

もちろん、酷い時はステロイドなどを塗布することもあるのですが、それも薬局やドラッグストアで購入し、自己判断で治療していく事がほとんどです。

イギリスの場合

イギリス

 

ホームドクターという、かかりつけ医を持つことが主流のイギリスでは、「Atopic Dermatitis」がアトピー性皮膚炎を指す言葉なのですが、あまりピンと来ない人が多いようです。

それだけ、乾燥しているからかあまりいないらしいのですが、基本的に「保湿剤を塗って様子を見る」というのが治療となる、軽い疾患と見られているケースが多いようです。

イギリスの場合、お水が硬水で日本のように毎日お風呂に入ったりすると、髪がゴワゴワになったり、顔が突っ張ったりしてしまうようで、基本的に保湿重視。

もちろん、悪化した場合はステロイドが処方されますが、そこに行き着くのが大変。

まずはかかりつけ医に相談し、改善しなければ大きな病院を紹介してもらい、子どもの場合は小児科に行かされ、そこからやっと皮膚等に案内してもらうことができるため、日本のように直接小児科や皮膚科に相談できないぶんとても時間と手間がかかるのです。

そのため、イギリスではやはり薬局やホメオパシーなどで治療を試みる方も多く、それでアトピー性皮膚炎という症状に行き着くケースが少ないのではと言われています。

海外移住で治るケースも悪化するケースも

旅行

このように海外でもアトピー性皮膚炎は起こっており、やり方は違えど治療に悪戦苦闘しているケースもあります。

ただ、やはり日本では高温多湿、四季の変化が激しいなどといった問題もあり、悪化しやすい事もあります。

だからといって海外移住で調子がよくなるかというと、環境の変化やストレスからの解放などで状態がよくなるケースもありますが、逆に定期的な医療が受けられなかったり、海外移住ならではのストレスで悪化してしまうこともあります。

日本の医療制度は大変優れているので、しっかりと日本で治療し、海外旅行などでストレス解消をして状態をよくしていくのも回復までの計画に入れてもよいでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ライター/印刷会社を得てフリーで活動するライター。自らのアレルギー・花粉症の経験を元に、多くの花粉症予防・対策について記事をしたためている。 健康オタクで、漢方・整体・鍼に詳しい他、毎日のエクササイズも欠かさない。