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45万人以上もいると言われているアトピー性皮膚炎について
皮膚疾患で第二位とも言われているアトピー性皮膚炎。
子どもに多い疾患だと思われていた皮膚炎ですが、近年ではほとんどが20歳以上の大人に見られる疾患となり、この症状によって仕事や進学における制限が出てしまっているケースもあるといいます。
そんなアトピー性皮膚炎とは、一体どういった疾患なのでしょうか?
アトピー性皮膚炎とは?
かゆみや湿疹を伴う、アレルギー依存の皮膚疾患。
良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか治らないのが特徴です。
子どもに多いと言われていましたが、近年ではアトピー性皮膚炎の60%以上が20歳以上の大人に発症しているということがわかりました。
症状
かゆみを伴う湿疹が体中の至る所に現れます。
出やすい場所は「おでこ」「目の周り」「口の周り」「耳の周り」「首」「脇」「手足の関節の内側」と言われていますが、人によっては背中や腹部、手のひらなど、どこにでも現れます。
アトピー性皮膚炎で現れる湿疹の特徴
赤みを伴い、じゅくじゅくとしたリンパ液を伴う湿疹で、かくことによってささくれ立ってしまったり、皮が剥けたりしてしまい、皮膚がゴワゴワと固くなって、岩のように盛り上がってしまいます。
左右対称に湿疹が現れることが多いのですが、かくほどに範囲が広がってしまうのも特徴。
(通常の虫刺されなどでは、その場所のみにかゆみが限定される)
アトピー性皮膚炎の場合、皮膚のバリア機能が低下してしまっている上に、さらにかゆみで上皮や角質をかいてしまうため、外からの刺激に敏感になってしまったり、異物が簡単に皮膚の中にはいってきやすくなります。
そのため、「自分の汗がしみて、かゆみが発症してしまう」という悪循環に陥るケースもあります。
アトピー性皮膚炎の原因は?
アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因と環境的な要因が両方揃って発症してしまう「多因子疾患」と言われています。
環境的な原因
アトピー性皮膚炎の方は皮膚が乾燥してしまいがち。
そのため、汗や衣類との摩擦によって、炎症が起こったり、かいてしまうことで肌のバリア機能が低下して、炎症を広げてしまいます。
また、痒くなる原因として「アレルギー」が上げられます。
食べ物や、ダニなどのハウスダスト、花粉や入浴剤などの合わない化学製品などもアレルギーの原因となるでしょう。
さらに、ストレスや睡眠不足による免疫反応の低下やホルモンバランスの乱れによって、肌のターンオーバーが遅れてしまい、乾燥がいつまでも治らず、それがアトピーを誘発してしまう原因ともなります。
遺伝的要因
アトピー体質が遺伝する確率は、両親ともにアトピー体質の場合で50%、両親のどちらかがアトピー体質の場合は30%と言われています。
ですが、両親ともアトピー体質ではないのに、子どもがアトピー体質であるケースも多々見られるため、一概に「遺伝が原因」とも言えません。
ですので、よく見られるケースとして、子どもがアトピー体質であることを母親気に病んでしまったり、両親が互いを責めてしまったりということがありますが、とてもナンセンスなこと。
アトピー体質であっても、発症しにくい環境であるかどうかが大切な分かれ目となるでしょう。
アトピー性皮膚炎の治療法
アトピー性皮膚炎は完治が難しい症状です。
落ち着いてきたと思い、治療や予防を怠るとすぐにかゆみがぶり返してしまったりするため、基本的に「症状をコントロールする」という感覚でいたほうが良いでしょう。
アトピー性皮膚炎のお薬は基本的に「保湿剤」と「ステロイド軟膏」がメインとなってきます。
そこから、生活指導(刺激の少ない石けん・シャンプーの使用や、アレルゲンの排除など)を行い、症状が出ない状態へと持っていくのが理想とされています。
ステロイド軟膏の場合副作用が気になることもありますし、実際、使用していた物を中途半端な状態でばっさり止めてしまうと、振り戻しで余計悪化してしまうこともあります。
そうならないためにも、医師の指示にしっかり従い、生活環境もより良い状態へともっていくのが一番でしょう。
アトピー性皮膚炎の検査
血液検査・問診(家族にアトピー体質の人やアレルギー体質の人はいるかなども含め)・皮膚検査などによって判断していきます。
まずは自分のアトピーの状態や原因を知ることが大切ですので、たかが皮膚炎と思わずに、病院へ行くようにしましょう。
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