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アトピー性皮膚炎の方が起こしやすいアトピー性白内障について
高齢者の病気と思われがちな「白内障」。
これは「加齢性白内障」といって、確かに最も一般的なタイプだと言えます。
ですが、若年性白内障といって、若いウチから発症してしまう白内障もあり、目の怪我によって発症してしまう「外傷性白内障」と、別の病気だったにも関わらず、そこから併発して発症してしまう「併発性白内障」というものに大きく分けられます。
この「併発性白内障」の一つに、アトピー性皮膚炎が原因となって発症してしまう「アトピー性白内障」というものがあったのです。
アトピー性白内障とは?
【原因】
重篤なアトピー性皮膚炎の約3割に起こるという目の合併症。
その中の1割でアトピー性白内障が起こると言われています。
全ての原因が解明されたわけではないのですが、アトピー性のかゆみによって目を強く擦ってしまい、角膜が傷ついたり、水晶体が濁りやすくなってしまうということが、原因の一つだと言われています。
発症する年齢が20代が中心で、早いと10代でも発症するため、問題になりやすい症状です。
【症状】
水晶体が白く濁ってしまうことで、まぶしさを感じたり、明るいところで物が見えにくいという問題が起こります。
まぶしいと感じることは、健康な人でも起こりえますが、白内障の場合のまぶしさは苦痛に感じるレベルで、目を開けることすらできないという状態です。
今までなんともなかったのに、車のライトがまぶしくて耐えられなくなるなど、運転ができなくなるケースもあり、その後の行動に制限がかかることも。
また、アトピー性白内障は症状が急速に進んでしまうため、視力が一気に低下するのも特徴。
症状が出始めてから数ヶ月で、目の前の指の数がわからなくなるほど急激に視力が低下する事もあります。
因みに、加齢正白内障の場合は、数年単位で進行していきます。
【治療法】
アトピー性白内障の治療は数ヶ月、数週間で症状が急激に悪化するため、早急に手術が必要になることが多々あります。
手術を受けることを考えている間に、水晶体自体が膨張してしまい、余計手術の難易度が上がって治りにくくなってしまうこともあるため、違和感を覚えたらすぐに病院⇒アトピー性白内障と言われ手術を進められたらすぐにセカンドピニオン⇒セカンドピニオン先の病院でも手術を進められたらすぐに手術を決める……くらいのスピードで動いた方が良いでしょう。
手術の内容は普通の白内障の手術と同じような物で、水晶体を包む撒くに穴をあけて、濁った水晶体の中身をしっかりと取り除き、代わりに眼内レンズを移植するような形になるでしょう。
最新の手術方法を取り入れている病院では、角膜を1.8ミリ程度切開するだけで大丈夫で、水晶体の除去から眼内レンズの挿入まで数分で終わる手術で済みます。
点眼麻酔で眼帯不要で日帰り手術もできる場合がほとんどです。
このような最先端手術でも、白内障が進んでしまうと手術が複雑になり、逆に大がかりな手術、もしくは手術しても視力の回復が見込めなくなるケースがあるため、アトピー性白内障の場合は水晶体が白くなる前に治療をすることをおすすめします。
【予後】
手術後は普通の生活が送れるようになるのですが、男性の場合アトピー性皮膚炎がそのまま残っている場合、今度は網膜剥離のリスクも高くなりますし、女性の場合であっても、アトピー性皮膚炎の方はまぶたの皮膚に雑菌が住み着きやすく、感染症リスクが高くなりますので、抗菌剤の点眼が必要になります。
もちろん、水晶体の代わりにレンズが入っているため、レンズの位置をずらさないよう、術後は目を叩いたり、掻いたりしないようにしなくてはいけません。
【予防】
アトピー性皮膚炎の方の3割の目の疾患を併発してしまった方の、さらに1割とはいえ、白内障になって手術……というのは避けたいところ。
まずは、アトピー性皮膚炎の症状そのものの容態を落ち着かせること。
日々の生活スタイルや、栄養などを見直し、少しでも皮膚の状態を落ち着かせることが大切です。
また、ステロイド薬が原因だ……という声もなきにしもですが、全くステロイドを使用しない場合でもアトピー性白内障になるケースが出ていますので、無意識に掻かないよう、薬はしっかりと飲み、寝ている間はアイマスクなどをするなどして、とかく目に刺激を与えないようにしましょう。
アトピー性のその他の目の病気
- アトピー性眼瞼炎=目の周囲の皮膚に炎症が起き、酷いと上下のまぶたの皮膚が固く厚くなってしまいます。
- アトピー性結膜炎=アレルギー性結膜炎と同じように痒くて充血し、涙が出たりしてしまう症状。
- 円錐角膜=かゆみで擦ることによって、角膜が薄くなり不正乱視がおこる非炎症性の疾患。
- アトピー性網膜剥離=網膜が剥がれてしまう症状。これも掻きすぎ等が多いと言われていますが、場合によっては失明に繋がる怖い症状です。
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